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一回や二回や三回や四回…何度でもあきらめればいい。どうせまたやるんだから


じっと地面を見ている
下を向いてはいるが
楽しい妄想を膨らませているので
脳内は幸せ、退屈もしない
周りの人達もVIP待遇してくれる
現実はどうあれ
自分でそう受け取ると
決めたからだ

ある時期
朝の布団のなかで
スーパーバタードッグの
"サヨナラcolor"が
脳内をリピートした

君はそれでいいの?
ラクがしたかっただけなの?
僕を騙してもいいけど
自分はもう だまさないで

そんなことを思い出しながら
地面ををみていたら
ねずみ色したアスファルトの中に
茶色の小石が、点、点、点

まるで夜空を結ぶ星座のように
茶色の石たちが
ハートの形につながった

茶色い石が徐々に明るく
紅く浮かび上がって
ハートに火が灯り
心臓が動き出すようだった

忘れて、諦めていた夢が
冷たく固まったハートが
息を吹き返すようだった

私はこのハートを作ろうと思った
何にするわけではないけれど

材料を探しに
ホームセンターやハンズへ通う
探したけれどみつからない

すると建築現場で
余った端材を捨てると聞いた
思い切って「欲しい」と言ったら
「持っていきな」と分けてくれた

その木材はエネルギーがあった
それは目の前の職人さんの働く姿だ

職人さんは、それぞれの専門分野を持っている

皆、本当はなんでも出来るけれど
専門以外は手を出さない

みんなが食べていけるようにするためなんだ

と、先輩が教えてくれた

見た目は怖いけど、優しい
男気があるのだ

私は作るのが好きで
何でもやってみたくなるけれど
本当は何がしたいのか
わからない

だから、これだっていうのを
ずっと探していた
職種を厭わなかったのもそのためだ
真善美って揃うものなのか知りたかった

売れるものを作らなきゃと考えると
やらなきゃいけない感に襲われて
好きなものさえ分からなくなって
ブレていく

頭の理屈で動くと
心の震えが止まり
手も止まる

ただ好きなものを作るしか道はない
それって、アーチスト!
いちばんなりたかったものだ!!
それは、絶対無理だって
望むことすらしていなかった!
怖すぎてできなかった

アーチストになりたい
そう願うだけでワクワクする
そう願っていいって許可しただけで
嬉しくなる
こんなことってあるんだろうか

というわけで
蘇生するハート
作っていきます



















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