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やっと組織が育つ

地球でのいのちの始まりは38億年前。細胞の中に核のある真核生物の誕生は20億年前。
多細胞生物の誕生は10億年前。単細胞から多細胞生物になるのに10億年かかっています。

最近、世界中で組織の在り方が研究されています。誰か力のある人がトップとなってトップダウン的に作っていた組織だけでなく、実は様々な形がありえるのだと気づく人が増えています。

人間の身体を考えてみましょう。
人の身体の中で、怪我をして傷を治す場合、初動では脳は関係しておらず、傷に集まった免疫細胞が情報を伝え合って必要な物質を運びます。
食べ物の消化でも食べ物が入ったことに気づいた胃の細胞から対応します。
脳からの指令で腕を動かすなど、脳が関与する場合も有りますが、例として挙げたように脳が関係していなくても担当の細胞が働いている場合は多いです。

生物としての人の身体は普段から自律分散型組織とも言えます。
社会における人の組織の成長を、地球上でのいのちの歴史に例えてみれば、今までは個人の成長が求められていた時代で、それは単細胞生物に近く、機能している多細胞生物ではないような状態とも言えます。
組織について研究が進み、これからやっと本当に機能する組織の時代になるのではないでしょうか。

令三社の山田裕嗣氏によれば、それぞれの組織がもつ主たる意図・熱量・目指す方向性は大きく3つに分類できる。
・達成:共通の目的・目標を実現すること
・所属:同じ共同体への所属意識を持つこと
・体現:共通の価値観を大切にする実感を持つこと
この3つの「優先順位」にその組織の個性が表れる。

3つの方向性の優先順位によって6パターンの「組織タイプ」に分類される。

令三社 山田裕嗣氏による資料より

自分の属する組織がどのような形か考えてみるのにこの図は役に立ちます。どれかがいいということではなく方法の違いを表していて、私が以前所属していた大学病院の組織はカンパニー型だと思います。

元のリンクはこちらです。
Transcriptの所で文字化けしているかもしれないですが、リンクをクリックすると図が開きます。上記の図は10.です。

多細胞生物が誕生した時も、試行錯誤的な様々な形が地球のあちこちで生まれていたと考えられます。

これから複雑な多細胞生物のような自律分散型組織になっていくであろう、より成熟した社会が楽しみです。

【地球上でのいのちの歴史】
宇宙は137億年続いていて地球誕生は46憶年前と言われます。

38億年前には海が存在して、弱いながらも細胞膜をもち、自己複製をする最初の生命体がありました。その小さな身体の中で遺伝子として働いたり、たんぱく質を合成したり、生命とよべる仕事にかかわっていたのはRNAです。RNAは、時々破ける細胞膜を通って、他の細胞に取り込まれたり、細胞同士が融合したり、自他の区別がはっきりしていない時期であったと考えられます。

27億年前にシアノバクテリアが誕生しました。シアノバクテリアは、太陽の光を使って水と二酸化炭素から糖分を作ります。廃棄物として吐き出される酸素により、地球の大気に酸素が含まれました。

細菌のように細胞核を持たない生物を原核生物といいます。細胞の中に核を持っているのが真核生物です。真核生物は20億年前に誕生しました。
ミトコンドリアは真核生物が生きるためのエネルギーを作り出している器官です。独自のDNAを持っていることから、細胞内に取り込まれて共生した原核生物がその起源と考えられます。光合成を行う葉緑体は、細胞に共生したシアノバクテリアが起源と考えられています。
20億年前に真核生物が誕生した後も単細胞生物の時期が長く続きました。

多細胞生物は10億年前に誕生し、5億年前に脊椎動物が誕生、6,500万年前から哺乳類が多様化してきました。
最初の生物である単細胞の細菌たちは土の中、水の中、生き物の腸の中など様々なところで今も生き続けています。

海の中で誕生した生命が最初に陸に上がったのは5億年前。土はなく、陸地は岩石だけでした。海の中の生物である藻類が陸でコケとなり、岩石の中の無機物と光合成によっていのちを育て、長い年月をかけて土ができました。植物が根を張ることができるようになり、ヤスデのような多足類が海から陸に上がったと考えられています。

地球上では陸地のプレートが動き続けており、大きなサイクルでの気候変動が起きます。
地球の歴史の中で、現生人類の存在はほんのわずかの期間です。ホモ・サピエンスは20万年前から10万年前にかけておもにアフリカで現生人類へ進化したのち、6万年前にアフリカを離れて長い歳月を経て世界各地へ広がり、先住のネアンデルタール人やホモ・エレクトスなどの初期人類集団との交流があったと考えられています。


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