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アメリカは内戦に向かうのか バーバラ・F・ウォルター著 井坂康志訳 2023.4

この本を読んで、世界で繰り返される内戦が俯瞰出来ました。人の本質的なものに繋がっているように思えます。信念対立が解消するにはどうしたらいいかを考えさせられます。
読むことによって、世界の現状が再認識できました。少しだけ以下に引用します。


アメリカは内戦に向かうのか    バーバラ・F・ウォルター著 井坂康志訳 2023.4

2003.3.19 米軍がイラクに初攻撃した。
2003.4.9 イラクの人々が米兵と共に巨大なフセイン像を引き倒した。
シーア派のヌーリ・アル=マリキが亡命先から帰国。
イラクのイスラム化を目指すムクタダー・アル=サドルと政争を繰り広げる。
2004.4 シーア派の支持が拡大、10年以上続く内戦へ。
シーア派、スンニ派、アラウィ派、サイフィー主義などの宗教をめぐって相争ってきた。

1900年には民主主義国家はほぼ存在しなかった。
1948年に各国の指導的地位にある人々が世界人権宣言を採択し、国連へ加盟。
今日では世界のほぼ60%が民主主義国となっている。
アノクラシー:完全な専制国家ではない。民主国家でもない。
 最も民主的:ノルウェー、ニュージーランド、デンマーク、カナダ
 専制国家:北朝鮮、サウジアラビア、バーレーン
 アノクラシー国家:トルコ、ジンバブエ、イラク

人間は本来的に「失いたくない」生き物である。
何かを新たに獲得するよりも、失ったものを取り戻したいという動機のほうが強い。

所得格差と内戦の間に正の相関関係は存在せず、
かえって所得分布が平等な国の方が、どちらかと言えば内戦勃発傾向は高い。

平和的抗議運動が挫折したときにのみ、さらに過激な派閥メンバーが優位に立つようになる。かくして誘拐、暗殺、爆弾テロが実行に移される。
抗議とは一つの警告でもある。
内戦は時に、ほんのちょっとした事件を発端とすることがある。
2010年以降、世界を見渡す限り、毎年民主主義の階梯を上る国よりも下る国が多くなっている。
中央アフリカ共和国では、近年SNSを用いて喧伝されるヘイトスピーチが、イスラム教徒とキリスト教徒間の分断を致命的なものとしている。

内戦を研究する筆者らにとって、SNSが心底侮れないのは、このエンゲージを核とするビジネスモデルである。現在の方法では、発信情報の真偽などどこ吹く風と、すべてが受け入れられてしまう。

人が求めるのは血の通った居場所なんです。

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