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大型青物が食う瞬間を予見できてこその泳がせ釣り

※泳がせ釣りがうまくいっていない方はご参考下さい。タックルや潮の傾向、その見極め方についてお話ししています。

今回4度目の山口鰤釣り遠征。1回目は50%、2回目は75%、3回目も75%という高確率で鰤が釣れていた釣り場なので今回も期待して臨んだが全体として非常に厳しい雰囲気が流れていた。

結果的には50%の確率で釣れたのだがもし今回が4度目という経験を積んだ状態の釣行でなかったとしたら恐らく釣れていなかったのではないだろうか。

普段なら嬉しいメバルも今回はリリース

まずアジの入手が困難だった。私が山口を訪れるまでアジは好調だったが数日前に崩れた様で初日に0:15~6:30でアジ釣りをしたが釣れたのは3匹だけだった。これを朝から泳がせるも不発。しかし同行者の竿には当たりがあったので大型の青物がいる事だけは確認ができた。

深夜にアジが釣れないのであれば昼間にやってみようと初日の泳がせ釣りを終えてからアジ釣りに向かうといとも簡単に5匹のアジが釣れた。本当にタイミング次第の様だ。それを活かしバケツに入れ海底に沈め翌日再び泳がせ釣りを試みるも全く反応はない。

この時期は海底に海藻が茂っているので潮に流される際アジに藻が絡みすぐに死んでしまう。そもそも潮流が速いのでアジの生存時間も長くないというのに海底に茂っていたり漂流している藻の存在に随分苦しめられた。4日間の遠征の半分を終え未だ当たりすらない事に焦りを感じていたが兎に角アジを釣って翌日に備える。

3日目の朝は憤りと共に始まった。港に行ってみると活かしバケツを引き揚げた痕跡があり中のアジが何匹か無くなっていた。死ぬ事があっても脱出はあり得ないので誰かに盗まれたのだろう。数匹のアジを持って帰っても仕方がないので恐らく泳がせ釣りの餌に使ったのではなかろうか。釣り人としての誇りはないのか。

3日目に釣れた68cmワラサ

7匹で闘う予定が5匹になってしまったので最初の1匹のアジを回収しなかった。もう既にアジは死んでいるしそれを放置し続けるとエイが食うので普通は絶対に引き揚げるのだが一本入れておかないと潮返しの兆候が分からない。

アジが豊富であれば定期的に付け替えて常に2本体制でぶっ込み続けるが今日は5匹しかいないし1匹は死んでいるので4匹を最も的確な時間帯に投げ込む必要がある。潮返しのタイミングで大型の青物は捕食する傾向にあるので兆候をキャッチするためだけに入れてあるタックルのラインをよく確認する。

右流れていた潮が左に変わる際に潮が緩みそれに伴ってラインも弛み始める。これがチャンスの兆候。その日2匹目のアジを投げ込んでみた。すると10分もしない内に竿に大きな反応が。6:50の出来事だった。それは残念ながら乗る事はなかったが投げ込みのタイミングは完璧だったはず。

前半の2日間潮流を確認した結果、午前中は2度潮返すので今日はもう一度チャンスがあるはず。再びラインの様子を観察し8:00の潮返し兆候を確認してアジを投げ入れる。すると8:14に当たりがありドラグ音が鳴り響いた。ついに乗った。2,3分で簡単に回収できるとところを見るとそれほど大きくはないが兎に角1本獲れて良かった。そして最終日に鰤サイズを釣るべく今回最後のアジ釣りへと向かう。

4日目は3日目とほぼ潮返しのタイミングが同じだった。昨日は6:50に一発目の当たりがあったので7:20頃の潮返しタイミングに重点的に投げ入れるも不発。アジももうないので最後の1匹は昨日ワラサがヒットした8:14から30分潮がずれた頃に落とす事に。これで釣れなければもう後悔はない。

8:40に潮返し兆候が出たので少し時間を置き本格的に返し始めそうなタイミングで最後のアジを投げ入れると30秒か40秒程ですぐに当たりが出た。一気に走るので青物は間違いないが明らかに昨日よりずっしりと重い。鰤だ。サーフランディングさせ無事に獲る事ができた。

大きくはないが釣れて良かった

結局4日間でワラサ1、鰤1と決して余裕がある釣行ではなかったが泳がせ釣り師としては大変満足のいく結果となった。何故なら潮よみが完璧だったから。

アジ不足、海藻の繫茂が原因で潮を見極める事が殊の外重要な釣行となったので前半2日間のぼうずが非常に大きな影響を与えている。ぼうずだとしてもラインを通じて海を観察し続けた事で午前中の潮の傾向を理解する事ができ後半2日間はココ!という適切なタイミングにアジを投げ込む事ができた。

とりわけ最後の鰤に関しては投げ込んで数十秒で食っている訳で鰤の捕食タイミングを完璧に捉えている。これが泳がせ釣りの気持ちがいいところで私が「泳がせ釣りは偶然ではなく必然の釣り」と言い続けている理由だ。

関東では鰤を狙った泳がせ釣りにエレベーター仕掛けが採用される事が多いが私は効果的とは思っていない。ラインで潮の変化を確認する事はできるがぶっ込み仕掛けと違って竿先でアジの動向を窺い知る事ができないからだ。アジは近くにフィッシュイーターがいると特別な反応を示すので食われなかったにしてもその兆候が出た時間帯やその時の海の状況はしっかり把握しておく必要がある。

仕掛けや潮を何も気にせずアジを投げて釣れるのはハイシーズンのみでこれは偶然の釣りに近いが高確率に(必然的に)青物を釣ろうと思えば泳がせ仕掛けはぶっ込みが一番だ。

陸上にいて鰤が食う瞬間を予見できてこその泳がせ釣り。



《今回のタックル》

DAIWA磯風3-53
レブロス5000
ナイロン8号
ハリス10号
捨て錘ハリス4号
チヌ針6号管付き
錘30号
※管とハリスは直接結束せず関節を作る
※三叉サルカンから錘や針まではそれぞれ2m程度

このタックルでワラサなら2,3分、鰤でも5分あれば十分寄せられるし、周りに人がいる環境であれば私はこれだけ時間をかけて丁寧に取り込んだりはしない。

たまに関東の釣り場でドラグを不必要に緩めて長時間かけて闘っている人を見掛ける。勿論初めての大型青物なら慎重にやり取りしたい気持ちは分かるがその時間は他の釣り人にとっても一日に何度とないチャンスタイムなのでなるべく早く寄せて他の人が投げられるようにする気遣いが大切だ。

だからこそ人の多い釣り場ではあまりライトなタックルで青物釣りに挑むべきではない。上記タックルで90cm/6kgまでは問題はなく、切られた事は一度もない。

山口鰤釣り遠征は今まで合計14日間行っており内9日間で1匹以上釣り上げているので約65%の確率で釣れている。合計は今回で19本となった。

この経験が活きるものかと東扇島西公園でも4度泳がせ釣りをしてみたが釣率50%で3本揚げる事ができたので青物が食う傾向はある程度同じなのかも知れない。

私はショアからのカンパチやキハダ釣りをメインに活動しているが初めて釣れた大型青物は鰤だったのでこれからも鰤釣りは続けていきたいと思う。

泳がせ釣りをする方は是非ご参考下さい。







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旅や釣りを通じて感じた事をお話ししています。来週は「山口鰤釣り遠征& Fish Party レポートスペシャル!!」をお送りします。予定していた「電車の旅」は第110回放送までお待ち下さい。よろしくお願いします。

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