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八丈島でマグロを狙う旅 -道具へのこだわりと徹底的な準備-

何でもやってみないと分からない。しかしやってみるまで何の準備もせずとも何とかなる事、それではどうにもならない事が世の中にはある。今回キハダマグロを狙って八丈島に行ったが、これに関しては知識や経験が手伝って徹底的な準備をしないと絶対に何も起こり得ないと確信した。

そして八丈島での釣り経験、知識の向上を経て自分の中の釣りの常識が変わっていくのを感じた。

帰りの飛行機で釣り仲間とメッセージのやり取りをしていた時、次回はその友人も八丈島に行きたいという話になったので『タックルを揃えたら一緒に行こう!』と返すと『俺はマグロを釣るつもりはないからマグロ用ロッドは必要ない。カンパチ狙いで!』と返ってきた。

その一文を見ながら「あーその気持ち分かるな。八丈島で釣りをする前まで自分にもそんなあまい気持ちが些かあったもんなー」と懐かしんでいると飛行機は轟音と共に島を飛び立った。

私が今回のマグロ釣りに持っていった道具は、ガーラモンスター12-49遠投、セルテート18000SW、オッズポートPE8号300m、150lb(40号)リーダー、20号ヒラマサ針だ。ショアからマグロを釣るための竿など存在しないので私はロウニンアジ釣り用のロッドを代用したし島の人は石鯛竿などを代用している。

泳がせ釣りをする人は全員がそのレベルの強力な竿を使用しており、鰤釣りなどに使う3-53、4-53の磯竿辺りでは太刀打ちできない魚がウヨウヨしているのだ。
 
泳がせ釣りは自然界の食物連鎖に任せる釣りなのでその釣り場で釣れる可能性がある大きな魚に照準を合わせて道具を揃えないといけない。友人は自分の持っている道具で八丈島の泳がせ釣りに挑むという発想で、彼は釣り歴も長いので実際に八丈島を経験してみればその発想が大いに間違っている事は理解できるだろうが、多くの釣り人がその発想で八丈島にやってくるので最初は大した釣果は得られない。

事実、八丈島滞在中に観光客の釣り人とたくさん会ったがまともな釣果を得た人は誰一人いなかった。(※勿論船釣りは観光客でもよく釣れている)
 
私だってカンパチを一本獲っただけなので今回の結果に満足はしていないが、それでも初八丈島釣行でカンパチが獲れたのは徹底的な準備したからだと思っている。鰤が獲れるかどうかくらいの有り物の道具で八丈島に乗り込んでも実際には「小さめの魚が掛かります様に」と願って釣りをするしかないのが真実なのだ。

幸運にもマグロが掛かったとして...  残念ながらその道具では“不運”と形容するしかなくなる。

しかも島の人が本当に難しいと思っているのは中途半端なサイズのマグロではなく巨大なカンパチだ。15~20kgのカンパチを水面に上げるのは至難の業で、島の人は必ずしも「マグロ>カンパチ」という発想ではいない。

 何でもやってみないと分からない。釣りははっきりしていて探究心と釣果は密接な関係にある。探究心がない人は偶然でしか釣れないか偶然でも釣れない。徹底的に準備をしてから自然界というフィールドで運に任せるのだ。特に泳がせ釣りは。

釣りを始めた初期の頃、この探究心がいま一つないまま沖縄遠征を繰り返しており見事に何も釣れなかったが今から考えると至極当然だ。釣りは探究心と経験の積み重ね。

今回私はマグロを狙って八丈島に上陸しカンパチに終わった訳だが、マグロを釣りたいのであればもっと探究しもっと経験する他ない。そしてその原動力となるのは“想い”であって、釣りへの想いの強さが釣果に表れるのだ。そういう本当の釣り人が八丈島にはたくさんいて彼らの精神に触れた事が釣り人としては一番の収穫だったと思う。




◾️ネットラヂオ『旅の鳴る木』

私が釣りを始めたきっかけは八丈島の底土キャンプ場でのある経験にある。それから4年間ひたすら釣りを探究する旅を続けてきてついに釣り人として八丈島に舞い戻った。私が八丈島にこだわる理由、そしてこの島の魅力とは?

旅ラヂオ、ぜひ聴いてみて下さい!

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