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日常的郷愁メドレー(歌詞まとめ)

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早いとこ曲をつけてあげたい
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#東京

[30th Station]

泣きそうな俯きは最後のピース ポケットに彼持ちのレシート さかのぼる詩情の街並みも まるで偽物アート色 かなり擦り切れたデニムと 車窓にメタリックな湿りが この日限りもその日暮らしも 憎めない"ソレ"ごと洗うように さまよって 手を伸べて 聴きなれた乗り換え案内の隅々へ くすぶって 手こずって 見知らぬ数多に戸惑っているなら どこかで何かがあったのでしょう 素敵な手紙をしたためて どこかで何も知らないあなたが 昨日の夢に縋るのは、嫌、よしとこう 悔しいけど悔いなどない

[東京メガ・シティ・ポップ]

シティ・ポップよ、はじけ散れ! 屋根まで飛んで 壊れて消えろ 品川も台場も中野もハマも 信じていいスカイラインは 一夜とない シティ・ポップよ、舞い踊れ! 屋根から屋根へと 軽々と 俺が池袋を恨む真横で 湘南新宿ラインが 帳のゆくまで 夜汽車 やがて夜行バスへと 堕天 八重洲は夜行性を抱き寄せた シティ・ポップよ、滑りゆけ! 八百万を統べる積もりだろ 老いぼれた俺に抗う術はない つまり俺も シティなのだ シティなのだ プリズムが迷光を集めて 混ぜては飛ばす 渋谷スクラ

[里を知る]

ワンルームにて 極寒の地 夜更けの雪は降らずとも やかんの湯気は冬の色 邦を忘れた逸れ者 すまなかったと独り言ち 寂し寝 夜伽の宿をこしらえる 詰められた毛布 心遣いは 記憶に揺らめく日々の忘れ物 何故 故郷を発ち 世を嘆くのだ 時知らず 今年も里帰りは 茶色の小箱 便りの印 明かりを見て あなたのフォルムに緩む頬 揃いのコート 指輪一つ 邦の予報と比べつつ 瞬時に透き通る東西の街 されども霞むは奥羽越の道 北前の船の出し湊を 北摂の丘から静かに望む 風が運んでくる

[東京]

東京は人を吸い寄せ その次に人を追い出す なぜって遊歩道が狭いから ベンチの1つも置けないらしい 山手線の文字盤の順に 時計の針が掻き回す 新宿 日暮里 上野に品川 再開発 名ばかりの高輪 悪が連なり 善を蹴散らす 善が寄り合い 悪を締め出す 入鉄砲に出女を 堰き止める関は 歴史の瓦礫 今日俺は吸い寄せられ 明日には追い出される 東京 どうかバスが出る前に 江戸の行方を教えておくれ 東京はおらが春を鈍色に 染めた人の顔をしている 東京は列島を咀嚼して その次に丸ごと