「何もない」にある魅力【16.ナウル共和国🇳🇷】
日本からオーストラリア経由で約30時間。太平洋に浮かぶ島国ナウル。フライトスケジュールが一定しておらず、週1便のときは1週間ほど滞在が必要だ。私がナウルを訪れた時もそうだった。
面積はわずか21平方キロメートルで、バチカン、モナコに続き世界で3番目に小さい。「何もない」「つまらない」とよく耳にしたこの小さな国で、1週間も何をしたらよいのか。
まずリン鉱石の採掘場を訪れた。ナウル経済はリンに依存している国営会社の担当者は、今後50年は埋蔵量は安定していると言うが、枯渇していると言う指摘もある。採掘後の跡地は、映画「猿の惑星」のように荒野が広がっていた。
旧日本軍が占領していた時代もあり、採掘場の近くには戦跡もあった。
しかし確かに何をするわけでもなく、時間はゆっくり流れる。ナウルの国鳥グンカンドリが狩りの大会用に飼育されており、餌付けの体験ができた。
週末にはマーケットがあり、地元の人たちと触れ合った。
透明度の高い海は肉眼でもたくさんの魚が見え興味がなかった釣りも楽しめた。
レストランでは大統領が食事をしており、話もできた。
何もないと言われる時でも、人々の生活がある。好奇心を働かせ感性を研ぎすませると、どの場所にも魅力的に感じる。ナウルで学んだことだ。
※2016年10月14日✍️西日本新聞夕刊コラム
『珍国に恋して』より
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