見出し画像

南米ペルーを代表するお酒、「ピスコ」

日本ではあまりその存在を知られていませんが、世界的評価は高く、中南米だけでなく欧州などに広く輸出されているお酒です。この記事では、ペルーが誇る国民酒「ピスコ」をご紹介します。

ピスコとは?

ブドウから作られた高級な蒸留酒です。1リットルあたり6キロから7キロのブドウを必要とし、ペルーの海岸地方で収穫されたピスコ用ブドウを発酵させた新鮮なマストだけで作られています。製造方法はよく似ているが、チリでも生産されており、少しだけ蒸留方法が異なります。情熱を込めて、人々の味覚と心を楽しませるために作られたお酒として世界的に有名です。

画像1

太平洋岸地域で生まれたお酒

ブドウの種が最初に蒔かれた海岸沿いの町、"ピスコ"を由来として原産地呼称を受けています。ここは、ペルーの首都リマの南230kmにある南アメリカ大陸の太平洋沿いの海岸に位置する漁村です。ピスコという名前は、ペルーの祖語であるケチュア語で、元々は小型の鳥類を指していましたが、徐々に「ピスコウアシ」(鳥の家)、「ピスコパンパ」(鳥の平原)、「ピスコバンバ」(鳥の畑)などの町や都市の名前にも使用されていきました。そしてスペイン植民地時代、港にピスコという名前が付けられ、そこから地元の蒸留酒がスペインに送られていた時代背景があります。

生産工程

①ブドウ収穫
ピスコ用ブドウが適切な糖度に達する2〜4月にかけて行われる。

②除梗・破砕
ブドウの実を茎から切り離し、実を絞って果汁あるいはマストを抽出する。
マスト・・・発酵前の醸造原料(ブドウ果汁、果皮、果肉、種子の混合物など)

③マセレーション
ピスコ用ブドウにそれぞれ特有の芳香成分を抽出するために、マストを発酵に先立ち皮や種と一緒に一定時間(数時間以上)寝かせる。

④圧搾
プレス機でマストから固形物が分離され、マストはタンクに移されて発酵プロセスが始まる。

⑤発酵
酵母の働きにより、マスト内の糖分が自然にアルコールとCO2に変化する。発酵が終わったばかりのマストを直ぐに蒸留する。

⑥蒸留
発酵させたばかりのピスコ用ブドウのマストは、すぐに直接蒸留・バッチ式蒸留の工程に入る。器具はすべて銅製。

⑦熟成
ピスコは濾過(ロカ)され瓶詰される前に、最低でも3ヶ月間、液に変化をもたらさない貯蔵器で熟成させる。

⑧瓶詰
瓶詰めの前には、不純物を取り除くための濾過(ロカ)を行う。醸造所で、アルコール度数38〜48℃のピスコを瓶詰めする。

画像2

ペルーの看板カクテル「ピスコサワー」

画像3

蒸留酒ピスコは、ストレートでも、またカクテルなどにして料理やデザートのお供として飲まれています。特にお勧めな飲み方は、カクテルです。アメリカ人のビクトル・モリス氏がウィスキーサワーに触発されて、1920年に最初のピスコサワーを作ったと言われています。そこからレシピが何年にも渡って受け継がれ、今では世界中で幅広く楽しまれています。

ピスコサワーの作り方

材料(参考)
●ピスコ90㎖
●ライムジュース30㎖
●ガムシロップ30㎖
●卵白(Mサイズ1個分)
●アンゴスチュラ・ビターズ数滴

材料をシェイカーに入れてシェイクすれば完成です。とても簡単です!

※グラスに注いだ後、アンゴスチュラ・ビターズを数滴たらすと出来上がりですが、今回は持っていないため入れておりません。

ベースとなる蒸留酒と柑橘類の絞り汁とシロップなどの甘みを加えてつくる伝統的なカクテルは日本人の口にも合うと思います。

ピスコの輸入会社

●モストベルデ・トーキョー
●株式会社G&C CORPORATION
●キョウダイマーケット五反田
●有限会社 中山商店

ペルーやチリを代表する文化のひとつとして注目されるきっかけとなったお酒、“ピスコ”。機会がありましたら、海外気分を感じながらぜひ味わってみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?