【盛岡呑み歩き】(2/2)いつもの旅の仲間・ツッチさんと15時から呑んでハシゴ5軒
土曜の15時から「石垣バル」という女性に人気の酒場で呑み始めた愉快な旅の仲間・ツッチさんとわたし。
女子ウケしそうなカクテルなどを呑みつつ、予定どおり打ち合わせを済ませ、少しずつ店内に女性客が増えてきたのを見計らって退店し、次の一軒を探しますが、時間はまだ明るい16時過ぎ。
適当な店を見つけられず、「ではこれで解散」としたのですが、われわれの呑み歩きは、そう簡単には終わらないのです。
⚪️ばったり再会し結局二人で「酒肴 晶(しょう)」へ
さて、ツッチさんと別れ、ぶらぶらとそぞろ歩きをしていると、もう少しで17時という頃合いになってきましたので、大通界隈から徒歩5分圏内にあり、人気の飲み屋街となっている内丸・桜山界隈でしっぽり呑もうかと歩を進めます。
すると、「おーい」とどこかから声が聞こえてくるのでそちらを向くと、15分ほど前に別れたはずのツッチさんが、ニヤニヤしながら前方からこちらに向かってきます。
聞くと、乗る予定だったバスが目の前で走り去ってしまったので、時間潰しに歩いていたら、向こうからわたしが歩いてくるのが見えたのだとか。
「まーー、再会したのも運命と思って、もう一軒呑みにいきましょうーかー」と、二人で桜山へ向かい、わたしがお目当てにしていた「酒肴 晶(しょう)」を訪れたのでした。
店内に先客なく、カウンター席に座らせてもらい「感謝セット」を注文します。
「感謝セット1,100円」は、ドリンク一杯にお通し二品、イワシ丸干しという充実の内容となっていて、ツッチさんはドリンクに「わしの尾 北窓三友」を、わたしは「浜千鳥 本醸造」を選びます(ドリンクはヱビス生やハイボールでもOKだったはずです)。
お通しは、油揚げと野菜の煮付け、胡瓜とキャベツの古漬けとなっていて、どちらも女将さんお手製で、シンプルですが味わい深いものです。
こんがり焼き上がったイワシ丸干しは頭からがぶり。小骨もなにもかも気にせず咀嚼すると、塩気と旨味が押し寄せてきて、最高の日本酒の肴となります。
ツッチさんは初来店でしたが、「うん、この店いいねー、近所にあったら通いたいぐらいだ」と喜んでいたので、連れてきたわたしとしては、しめしめといったところです。
その後、続々と客が入ってきたので、女将さんの手が空いた時を見計らって会計をし、まだ明るさが残る店の外へ出たのでした。
⚪️栄養豆腐を「ハレトケ食堂 晴多(はた)」でいただく
さて、「酒肴 晶(しょう)」から徒歩30秒のところにある、「ハレトケ食堂 晴多(はた)」を訪れます。
こちらのせんべろセットは、ドリンクにツマミ三品がついて1,000円となっていて、ツッチさんはドリンクを生ビール、わたしはキリンラガー中瓶とします。
なお、ドリンクは580円までの飲み物がOKで、580円をオーバーしたら差額が加算されるシステムとなっており、キリンラガー中瓶は630円のため、50円プラスして1,050円のせんべろセットとします(生ビールの場合は580円に収まっているので1,000円となります)。
肴の一品目は、偶然にも「酒肴 晶」と同じく、こちらのものは浅漬けですが、キュウリとキャベツが出されました。
でも、夏場はやっぱり冷えた漬物がさっぱりして口当たり良く、ほどよい塩気が食欲をそそります。
酒肴二品目は茹でたて枝豆、三品目はアジの南蛮が出されたところで、日本酒にスイッチし、秋田は由利本荘市の「雪の茅舎 山廃純米」をもらい、ぐいぐいっといきます。
時間は18時にならんとしていて、ツッチさんは酔っ払って饒舌になってきて、もはやバスの時間も家で夕食をとることも、どうでもよくなっているように見受けられました(笑)
さて、こちらの店では、毎度、メニューにない「栄養豆腐」をわたしは注文しています。
「栄養豆腐」については、地域によってその認識が異なるということが最近わかったのですが、詳しいことはともかくとして、いわゆる充填豆腐のことでして、わたしも幼少のころからよく食卓に出され、口にしてきた馴染み深い食べ物です。
大酒呑みだった祖父が、輪切りにして出された「栄養豆腐」にたっぷり醤油をかけ、それをツマミに地元の蔵の二級酒を冷や(常温)のコップ酒で晩酌していたことを思い出します。
この日はたっぷりの鰹節と刻み葱、そして季節の食材である茗荷も乗せてもらい、そこに釜石の「富士勇」の甘い醤油をかけて食べたら、酒にもよく合い、最高に美味かったです。やはり薬味と調味料は大事です。酒肴のグレードを、確実にアップさせてくれます。
⚪︎桜山界隈呑み歩きで「八まめ(やまめ)」へ
さて、「ハレトケ食堂 晴多」を後にして外に出ると、ぽつりぽつりと雨が降っています。
次のお目当ては、徒歩5秒のところにある、昼は喫茶とスパイスカレーの店、夜はバーとなる「八まめ(やまめ)」です。
19時の開店に合わせて入店し、カウンターのいつもの席に座らせてもらい、イエガーマイスターのソーダ割りをもらいます。
ツッチさんは女将さんにすすめられたエルダーフラワーのリキュールを口にし、「あーーー、爽やかーーー」と悦びの声をあげています。
「どうですか、ツッチさん、初めての店ばかり呑み歩いてみて。『石垣バル』でラッキーアワー、『晶』でお得なセット、『晴多』も同じくお得なセット、そして〆は雰囲気抜群のバーっすよ」
「いやーー、いいね、最高の店ばっかだよ」
「でしょうでしょう。あ、そうだ、せっかくだったらおつまみカレー食べてみませんか?」
「あ、いいねー」
豚肉のカレーをライスで注文し(パンからライスを選べます)、二人で分けて食べていきます。マイルドで優しいスパイスが心地よい刺激のカレーに、「おおーー、美味しい!」と二人で声をあげます。
すると、「よろしかったらどうぞ。開発中のオリジナルスパイスです」と、試作したスパイス二種が目の前にすっと出されます。
一つはコリアンダーとクミンを感じるスパイス、もう一つはターメリックとチリを感じるスパイス。前者は華やかで香りが高まるスパイス、後者は重曹的に辛味が広がるスパイス。どちらもがらりと味変させる、いいアクセントです。
「八まめ」でまったりとした時間を過ごしていると、時計の針はゆうに20時を回っています。
15時から軽く小一時間呑んで解散、の予定でしたが、いやいったん解散したものの、ぐうぜんばったり再会してしまったのがツッチさんの運の尽きでした、5時間を超すきっちりフルタイムの妥協なしの呑み歩きとなりました(笑)
⚪️ツッチさんと別れ、〆の「freebird」へ
さて、結局21時過ぎに再度の解散となり、ツッチさんはようやくバス停へ向かって歩き出しました。
わたしはというと、まだ早いので少し呑んでから帰ろうと思い、ついつい八幡界隈方面まで足を伸ばしてしまいます。
お邪魔したのは「freebird」という、料理がとても美味しい酒場。いつものカウンター席に腰を下ろし、ハイボールを注文します。
日替わりメニューから「豚丼のアタマ」という魅惑的な一品を見つけ、そちらをもらうことにします。
これをつまみつつ女性店主といつものように世間話。のんびり寛いで閉店の22時前に会計をし、15時から5軒ハシゴした一日を終えたのでした。
(おわり。)