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【盛岡呑み歩き】(2/2)またまた東京からuniさんが「盛岡さんさ踊り」にあわせてやってきたので、軽く酒場をハシゴした。 2024年8月4日(日)

「盛岡さんさ踊り」最終日に盛岡を訪れた旅の愉快な仲間・uniさんと、uniさんのご友人であるYさんをお迎えし、いよいよお目当てのさんさ見物に行こうとするわれわれでしたが、急な土砂降りに遭って、ホテルに足止めされるのでした。


⚪️ゲリラ豪雨で「盛岡さんさ踊り」の中止の危機

monakaで「ベアレン クラシック」を呑みながら、uniさんとYさんが盛岡を訪れることになった経緯をお聞きします。

「ぼくはね、妻と青森に”ねぷた”を観に行こうと思ってたんですが、妻が体調を崩しちゃったんで、急遽行き先を盛岡に変更したんです」

ぐいっとビールを呑みながら、uniさんが話します。

「んでね、ちょうどYさんも奥さんが実家に帰られていて、家に一人だってんで、誘って一緒にきたんです」とのことでした。

なお、uniさんがYさんを連れ立って盛岡に来たことは以前にもあって、Yさんはまったく初めての盛岡ではないとのことのようでした。

Yさんは長崎の出身とのことで、夕方に訪れた酒場では、長崎に原爆が落とされた8月9日も近いということで、浦上天主堂の話とか少し真面目な話もして、その中で知られざる現実なども教えていただくことになり、日本人としてまだまだ勉強が足りないなあと思った次第でもありました。

と、その後、uniさんとYさんと別れたところまでは前回書いたところではありますが、いったん自宅に戻ったわたしは、待ち合わせ時間の17時が近くなってきたので、「ホテルニューカリーナ」へお二人を迎えに自宅を出たのでしたが、雨がぽつりぽつりと降り始め、持参した傘を広げてホテルへ向かいました。

ホテルのロビーに到着するとuniさんがすでに待っていたようで、「よっ」と手を上げます。Yさんはまだ部屋から降りてきていないようでしたので少し待っていると、外でいきなり激しい雨が降り始めます。

「傘、持ってます? uniさん??」
「いや、持っていないですよ。雨が降るなんて、想定してなかったですよ」
「雨雲レーダー見ると止みそうですが、さんさ会場に着くまで濡れなきゃいいですが」
「んーーー、どっかで傘を買いましょうかねーー」

と話しているとYさんが現れますが、傘あった方がいいですよ、とわれわれがいうので、いったん部屋に傘をとりに戻ったのですが、Yさんが傘をとってきてもまったく雨足は衰えず、外の通りでは、可哀想にも浴衣姿の女の子たちが、濡れながら雨宿りができそうなところを探して走っています。

「雨でさんさのパレードが中止になるってあるんですか?」
「なくはないですけど、あんまり記憶にないですね」
「んーー、この調子だと中止もあるのかなあ、、、」
「まー、18時パレード開始だから、なんとかなるかもですねー」

などと話しているうちに多少雨足が弱くなってきたので、「とりあえず、大通のアーケードのとこまで行っちゃいましょう」ということにして外に出ると、それでもまあまあの雨粒なので、uniさんは目についたコンビニに駆け込み、傘を買い求めました。

で、おのおの傘を差して大通のアーケードに到着すると、傘がなくて雨宿りしている人たちで溢れかえっていましたが、そんな人たちをかき分けて、わたしたちは一軒の酒場を目指しました。

⚪️創業45年の老舗酒場「大たる」へ

そしてたどり着いた「大たる」は、北東北一の歓楽街である大通界隈のど真ん中にある、昭和54年(1979年)創業の老舗酒場です。

もともとは雑居ビルの地下のみに、昭和の雰囲気を醸す居心地のいい酒場を構えていたのですが、その後、そのビルの1階・2階にも店を拡大して現在に至り、大箱酒場として人気を誇っています。

地元テレビ局が作成した動画リンクも貼っておきますが、こちらのサイトにこんなPRコメントがありましたので引用しておきます。

おかげさまで、創業40年目を迎えました!
これからもよろしくお願いします!
本格料理と銘柄酒まで飲めてこの価格!
盛岡の居酒屋「大たる」は地元を盛り上げるため
この価格で頑張ります!

開業間もないころのイメージにこだわった店内で、よりおおぜいのお客様に30年引き継がれてきた「大たる」の味をお届けします。
全国の銘酒と炭火で焼く串焼きが自慢の店です。
皆様のご来店お待ちしております!

出典:「テレいわ屋」から引用
「大たる」といえば串焼きですね

こちらの酒場がすごいのは、当日注文可能な2,500円からの呑み放題コースでしょうか。プラス600円すると、日本酒の全銘柄も呑み放題になるというのもかなりさらにすごいです。

このコースの価格に料理も5品くらいついてくるので、とにかく安く仕上げたい方にはオススメで、わたしもお金がなかった若い頃にはよくお世話になったものです。

以前、とある酒場の料理人を連れてお邪魔して、この呑み放題コースを一緒に体験したことがあったのですが、「この価格で、この料理! 決して高価な食材を使っていない、いや、むしろ安価な食材を使ってここまで満足感の高い料理を提供できるのはすごい!!」と彼が驚いていたことを思い出します。

さて、前置きが長くなりましたが、「雨で濡れて体が冷えました」というuniさんは紫波町の「月の輪」の熱燗、Yさんはハイボール、わたしは「ヱビス」の生を注文し、この日2回目の乾杯といきます。

んで、「大たる」といえば串焼きですので、Aセット500円(皮・かしら・ハツ・砂肝・レバー・ホルモン)、Bセット500円(ももねぎ間・バラねぎ間・豚軟骨・豚タン・手羽先)、タレ焼きセット500円(かしら・レバー・つくね・ももねぎ間・皮)を注文です。
(すみません、セットはもしかしたら600円だったかもしれません。)

お通しはキャベツに紫蘇ドレッシングがかかったもので、これを串焼きを食べつ合間にぽりぽりつまみます。

タレ焼きセット

早々にファーストドリンクを呑み終え、uniさんは熱燗お代わり、Yさんとわたしは「楽器正宗」を半合注文です。

楽器正宗

「しかし、、、」とYさんが酒をすすりながらつぶやき始めます。

「(店内に)若い女性客もけっこういますね」
「ですねー、しかも浴衣姿で風情あっていいでしょう」
「いやほんと。しかも綺麗な方が多いですね」

とYさんとわたしが話すと、「盛岡はね、美人が多い街なんです」とドヤ顔でuniさんが語り、「ぼくもね、盛岡に来るたびにそう思うんですよ。盛岡の女性は、ほっっっんとキレイ」とつなぎます。

ミスさんさもとても綺麗だし踊りも上手だから、酒を片付けたら参りましょうか、などと話しつつ、熱燗ウメーだの、楽器サイコーだの、串焼きも安くてたまらんなーだの言いつつ40分ほど滞在して会計。

一人1,300円ぐらいと流石のコストパフォーマンスの老舗酒場「大たる」なのでした。

⚪️さんさに魅せられ、薄焼きに魅せられ、焼き魚に魅せられ

ミスさんさ集団のキレっキレのおどり

さて、雨も上がり、無事さんさのパレードが18時に開始します。

われわれは上手い具合にパレードを間近で観ることができるスペースを確保し、伝統さんさの輪踊り、そしてメインのミスさんさも踊りを堪能します。

さんさ初体験となったuniさんとYさんもミスさんさの見事な踊りに、スマホ片手に食い入ります。

ミスさんさが通り過ぎると、次は大迫力のミス太鼓。あの「ダンダン、ダダスコダン」が腹の底に響き渡り、これが快感になってきて、高揚感に包まれていきます。

続いて商工会議所集団だったのですが、商工会議所100周年ということで、歴代ミスさんさが登場し、これまた見事な踊りを披露します。

いやはやもう、あまりの迫力に圧倒されるわれわれ3人。盛岡さんさは静かな踊り、祭りだと思われがちですが、実はかなり激しく動的な踊りであり祭りなのです。

小一時間ほどパレードに魅入られていたでしょうか。全身全霊の踊りを目の真西、若干放心状態となったので、どこかで一息つきつつ、感動を3人で共有したいと思い、パレード会場を離れます。

桜山界隈

さんさ見物の人混みを避け、内丸・桜山界隈へ向かいますと、こちらも大混雑地帯。飲食店の前に出店がずらり並んでおり、酒と酒のツマミを求める客たちの熱気が溢れかえっています。

どこか落ち着けるところへと、桜山界隈の片隅にある馴染みの酒場「酒肴 晶(しょう)」へ向かいます。

赤星で乾杯

「キリン 赤星」をおのおの一本ずつ注文し、手酌でビールを注ぎ、乾杯です。雨が降って涼しくはなっていましたが、街全体に漂う熱気で体が熱っていて、冷え冷えのビールが最高に美味かったです。

「いやー、正直さんさを見くびってました。来年も絶対に観にきます」とuniさん。わたしも、来年もまたご案内しますと心の中で約束しました。

うす焼き

さて、盛岡出身のuniさんがメニューから「うす焼き」を発見して注文します。実はこの料理、盛岡(とその近辺)の郷土料理であり、祭りの屋台の定番中の定番で、盛岡民なら知らぬ人はいないであろうソウルフードです。

詳しくは農林水産省のHPをご覧いただくとして、盛岡でうす焼きと言えば「ささきのうす焼き」で、この合言葉が通じる人は、正真正銘の盛岡人です(笑)

で、uniさんが「美味しい、美味しい」と嬉しそうにうす焼きを食べ、Yさんとわたしも一切れずついただきますと、「ささきのうす焼き」よりも上品な味のうす焼きですが、しっかりと紅生姜が存在感をアピールしてきて、これまたビールが進むかっこうの酒肴でした。

鮎塩焼き

「酒肴 晶」は、仕入れにもよりますが地元で釣れた川魚が食べられるのも魅力です。

以前女将さんから、旦那さんが渓流で釣ってくるんだ、と聞いたことがあり、わたしもヤマメやイワナ、サクラマスなどをいただいたことがあります。

この日はメニューに鮎塩焼きを見つけ、Yさんとわたしがこれを注文し、uniさんはイワシ丸干しを注文です。

浜千鳥

鮎は若鮎で、身が本当にしっとり柔らかく、品のある独特の鮎の香りが漂い、なんとも愛おしい味わい。この時期だけ味わえる、旬の味覚、ローカルな食の魅力。

わたしは、女将さんから釜石の「浜千鳥」をもらい、鮎を楽しんでいきます。

uniさんはというと、供されたイワシ丸干しの大きさ立派さに驚きながら齧りつき、「これもまた美味しいなーー」と絶賛しながら食べ進めていったのでした。

⚪️中津川を眺めながらラムを

その後、会計をして「またお会いしましょう」とuniさんとYさんと別れたわたしでしたが、「渡し忘れたものがあります」とuniさんからメッセージを受け取り、待ち合わせ場所に指定された中津川付近まで移動します。

「いやー、すみません、すっかり渡しそびれて」と酒瓶をわたしの手に取らせます。これがまた貴重なウイスキーで、いただいていいのだろうかと恐縮しているところに、uniさんがステンレス製であろうスキットルとコッヘルを取り出し、石柵の上に並べ、なにやら褐色の液体をコッヘルに注ぎます。

uniさんのラム

「さんさを眺めながら3人でこうして呑みたかったんですが、すっかり忘れてしまってて(苦笑)」とuniさん。

「これ、とっておきのラムなんで、川眺めながら呑みましょう」とuniさんが続け、わたしも小ぶりなコッヘルを手に取り、くいっと一口ラムを喉に流し込みます。

強いアルコール感があるものの、きちんとまとまりがあり、エレガントな甘い香りが鼻を突き抜けます。熟成感のある、上質のラムのようです。

そうして、呑み終えるまで川を眺め、会話を続けます。「盛岡さんさ踊り」最終日ということもあり、まだまだ道を行き交う人が多く、街全体の熱気は収まっていませんでした。

いやー、ホントに楽しい一日でした、お互いさんさを満喫しましたね、と言い合いながら再び別れ、わたしも清々しい気分で家路に着いたのでした。

(おわり。)

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