旅のエッセイ

そんなにいつも旅に出ることができるわけではないので、代わりに人の旅行記を読んで、旅に出た気分を味わうのが好き。

行ったことがある場所でも、聞いたことさえなかった場所でも、どこでもいい。行ったことがあれば、懐かしく思い出しながら、自分とは違う視点や経験を知る。聞いたことさえないなら、ただその場所を想像して思いを馳せる。

今、読んでいるのは、杉浦今日子さんの「旅する刺繍家」。ヨーロッパの旅エッセイだけれど、刺繍家という聞いたこともなかった職業からの視点が非常に新鮮。

旅行記ではなく、外国に住んでいる人が書いたその土地の話も好き。住んでみなければ分からないこともあって、興味深い。この場合は、住んだことのない場所の話がいい。その土地ならではのエピソード、人との交流など。村上春樹さんの「遠い太鼓」はその大定番。半分は旅エッセイな感じもあって、私にとって完璧な本。

旅エッセイは、ミステリー小説などと違って、先が知りたくてジリジリしながら一気読みすることなく、ちょっとずつ味わいながら読めるのがいい。ワインをちびちび飲むみたいに。今日も旅のエッセイを読んで、旅に出た気分を味わおうっと。

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