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アメリカで子育てする: スポーツ篇#2

息子のバスケ、娘のテニスの話は前に書いたけれど、二人はクロスカントリーもしていた。ここで言うクロスカントリーとは、野原を走る長距離走のこと。略してクロカン。

アメリカの高校では、季節によってスポーツが分かれている。冬はバスケ、春はテニスというように。クロカンは秋のスポーツだったので、二人とも本業のスポーツとかぶらずにクロカンができた。

クロカンは、個人の記録もあるけれど、チームでも争う。チーム内トップ5の順位の合計がより少ないチームが勝つ。息子と娘は長距離走がもともと得意だったらしく、高校1年生からトップ10のランナーだけが入れるバーシティのチームに入っていた。

娘は1年生で新人賞を獲ったにも関わらず、テニスだけに集中したいと言ってクロカンはやめてしまったけれど、息子は高校卒業まで続けて、今でも兄弟と呼ぶ大切な仲間を見つけた。それだけでも、クロカンをやった価値は大きいと思う。

クロカンの何がいいって、若者達が辛くても最後まで諦めず走る姿。チームメートを応援する姿にも感動する。クロカンでは、たくさんのスポーツマンシップや友情のドラマを見た。

特に、息子の高校最後のシーズン。自由奔放過ぎてコーチ陣に嫌われていた息子率いるチームの仲間が、みんなの予想に反して優勝したり、州大会に出る資格を得たことは、誰もが驚く快挙だった。優勝した大会は本人達もびっくりで、表彰式で高校の名前が呼ばれた後、誰もが信じられずしーんとなったほど。個人の記録よりも、仲間と力を合わせて結果を出した経験は何ものにも代えがたいと思う。

そして、クロカンはどんなに遅くても、誰でも参加できるスポーツ。いつも一番遅くても諦めずに頑張って走り続けていたランナーの親に、周りが誰も話しかけない中で息子だけはいつもその子に話しかけてくれた、と感謝されたこともある。

クロカンを通して、親の私もたくさんの感動をもらった。日本では聞いたことがない競技だけれど、アメリカで子どもにスポーツをさせるなら、強くクロカンを推薦したい。

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