見出し画像

オクラホマの思い出

オクラホマ州には、友人一家を訪ねて何度か行ったけれど、あまり出かけず、主に友人宅でくつろいでいた。空気が乾いていて、起伏のない平原が広がる土地で、特に何もないイメージ。緑色の木々が少なく、全体的に茶色っぽい町だった。

数少ない出かけた先で一番心に残っているのは、オクラホマシティの国立記念碑&博物館。テロによって爆破された連邦政府ビル跡に作られたメモリアルパークは、大きな人工池が印象的だった。四角く黒ぽっく静かに水が流れる池は見たことがないデザインで、心洗われる落ち着いた芸術作品になっていた。

併設される博物館は、爆破の時に行われていた会議の録音を聞くところから始まる。突然、途切れる音声が生々しく恐ろしく、異常事態が起きたことを強く物語っていた。展示物すべて、テロ事件について詳細に説明されていて、忘れない、忘れさせない、という強い意志を感じる構成だった。

オクラホマ州立動物園にも行ったことがある。この動物園は、とにかく異常に広かった。冬の寒空の下、私は風邪気味で、しかも重たいヒールのあるブーツを履いていたため、歩き回れず途中でギブアップ。帰ったら、声が出なくなるほど、風邪も悪化している有り様だった。どんな動物を見たかは全く記憶にない。でも、それすらも今となっては良い思い出。

ブリックタウンと呼ばれる赤レンガのダウンタウンには、息子の大好きなNBAチームの本拠地を見に行った。アリーナは閉まっていたけれど、併設の小さなショップは開いていて、息子は嬉しそうにチームグッズを選んで買っていた。娘も隠れて息子の誕生日プレゼントに、と息子の好きな選手のTシャツを買ってあげていた。息子が買おうかと散々迷った末に諦めたTシャツだったから、数ヶ月後、誕生日にもらった時の息子の驚きと感動と言ったら。そんな娘の優しさや兄妹愛に触れられたのも良い思い出。

昨日の夜は、NBAファイナルの二回戦を家族で見ながら、息子が娘に編んでもらうブレスレットの色をああだこうだ言い合って選んでいた。二人で仲良く話す姿を見たから、オクラホマシティのNBAチームショップでのことを思い出したのかもしれない。一時期は仲良くできずに、距離を置いていた二人。色々あった後で、お互いに優しくし合っている二人を見ると、毎回心が温まる。これからも二人がお互いを尊重しながら受け入れられる関係でありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?