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富山県氷見市にある小さな宿が、行政から応援されていた理由。

from:五反田のオフィス

突然7,000万円の借入をして、宿を始めた後輩がいます。

その宿が1周年を迎えたので、遊びに行ってきた話です。


1部上場企業を辞め、地元に戻って宿を始めた理由

彼(28歳)の地元は、富山県の氷見市。

東京駅から北陸新幹線に乗り約3時間ほどで到着する、人口4.7万人の街です。(2019年8月現在)

その氷見市が、「消滅可能性都市」に指定されたと言います。


諸滅可能性都市をご存知でしょうか?

2010年から2040年にかけて、20~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市区町村のこと。:国土交通省より

彼は、そんな「消滅可能都市 氷見」という街を、持続可能都市にすべく、突然7,000万円の借金をして、宿経営をすることを決めました。


消滅可能性都市 「氷見」に立上げた 宿のコンセプト

「移り住みたくなる宿」と言うコンセプトのもと、イミグレと言う宿を経営しています。

客室数:6室
客室単価:18,000 〜50,000円
定休日:火曜日・水曜日


この宿で過ごす時間によって、氷見に行きたいという観光客(移住者)を増やすこと、氷見に留まりたいと思う地元民を増やすこと。2つの機能を果たすことがこの宿の役割です。

強調しているのは、地元氷見の「食」「景観」


「食」は言うまでもなく、日本海で漁れる新鮮な魚。特にブリやノドグロですかね。最高でした。

「景観」は、立山連峰 が一望できるロケーションであり、その強みを最大限に使っています。


立山連峰とは、北アルプスのうち黒部川の西側に連なる山域の総称を言います。これです。

※画像:NAVER まとめ


▼全室オーシャンビューの客室


客室からは、完璧な日の出によって朝を迎えることができます。(少し寝坊したためこのタイミング)

タイミングまで完璧であった場合、こうらしいです。

※画像:四季・祭・館


▼ 劇場型のレストランからも立山連峰が望める

料理長がこのキッチンで料理をつくる姿と合わせて、立山連峰を眺めつつ食事を楽しむことが、たまにできるそうです。


ちなみに料理長は、海外で法定料理人を努めた経験のある凄腕さん。

料理長本人もまた、横浜に家族を残しここ氷見に暮らす移住者でもあります。それも含め、地に足付いてて素敵だなと思います。


地産の食材を使った、ちょっとお洒落な料理を振る舞ってくれます。

こちらは料理長自慢のプリン。 プリン。。


地元行政と地元民を巻き込む 宿経営のモデル

とは言えやはり、富山県氷見市の小さな宿一匹の求心力なんぞ、当たり前に弱いです。

食も景観ももちろんですが、そんなこの宿が「宿経営」と言う観点で優れている点は、地元行政を巻き込んでいることです。

沖縄県の首里城の火災は心が痛みましたが、そんな時も沖縄から民謡アーティスト(料理長の友人)を招き、チャリティイベントを行えば、地元民でこの賑わい。

企画や集客など、この宿のコンセプトに共感した地元の行政が、いろいろ協力してくれるんですね。


地方の小さな宿は「従業員総クリエイター化」をしろ

イミグレを訪れて、彼(28歳)と話す中で、なるほどと感じたのは、

これから従業員の総クリエイター化を図ると言う話です。

従業員に対して、動画撮影や編集、写真撮影やコピーライティング、個人のSNS運用、WEB制作、などの教育し促進させて行くと言います。

お客様の声も、動画でストックさせています。


ローカル都市は特に、クリエイター不足が深刻ですし、観光協会も含めて人手不足ですから、そこから頼られるポジションを取りながら、従業員個人に対しても稼ぐスキルも付けてあげると言う話ですね。

とても正解だと思います。




リクエストと一緒にお待ちしております。