ズボラtabitabi

はやっていた「旅行業参入」の途中経過を冷静に整理してみたい【続編】

from:田町のカフェ

以前、こんな記事を書きました。

前編?続編は?という声を
ちらほら(1人だけ)いただいたので、書きます。


それとちょうど、旅行系プロダクトのディレクターをやっている後輩さんから、こんな連絡もきたんです。

後輩「(ホテル比較予約のプロダクトに)コンシェルジュ機能の実装を進めてますけど、やばいっす大変ですっ。。」

コンシェルジュ機能の自体の良し悪しは色々あると思いますが、後輩さんの場合は、「相談できる」ことによる差別化を図ろうとしているみたいです。



ズボラ旅 vs TabiTabi

そもそも、マーケットが国内旅行と海外旅行とで別れているので、この2者は競合していません。しかし、同じ類のプロダクトという点で、今回は比較してみたいと思います。

使ってみた定量的な比較です。(※筆者使用時における)

チャットの相手
 ∟ズボラ旅:ほぼ対人
 ∟TabiTabi:ほぼボット
メッセージ回数と時間
 ∟ズボラ旅:6回/64分
 ∟TabiTabi:6回/2分
プランニングの所要時間
 ∟ズボラ旅:12分
 ∟TabiTabi:120分

では、それぞれみてみます。


ズボラ旅はどう変わったのか?

LINEで旅行の相談から予約までできる。というサービスの元祖さんは、この2点を新たに変えてきました。

●自社オウンドメディアにモデルコースをバンバン作ってて、その中から提案をピックアップするからオペレーション◎

●相談手数料を取る様になっていた。


 −チャットの流れ

こちらから話しかけると、こんな感じで、対人で話が進みます。(もしボットだったら遅すぎ)

ある程度の条件を伝えると、旅行プランの候補を出してくれます。

プランを選ぶと、ホテルを探してくれます。

 −使って感じたこと

丁寧かつ情報量も十分で、提案内容も良いです。

しかしリアルタイムでの会話が少し面倒に感じます。まだ「案」が欲しい段階なので、一回一回返信するのが、旅行カウンターのおねえさんと話しているくらい、大変に感じます。

更に最近、1,000円の相談料を取られる様になりました。JTBさんかな、、

結果的にズボラ旅で旅行を申し込むと、相談料分が値引きされますが、相談だけで旅行を申し込まなかった場合は、1,000円を支払ったことになります。

私の前回の記事でも、こんなことを言いましたが、

私が実際にズボラ旅を使ってみて感じた事業をスケールさせる論点は、「提案の質」と「生産性」の塩梅をどこで保ちながらティッピングポイントを迎えるか、の一点です。

要は、塩梅を保てなかったという結論だと思います。



TabiTabiはどう変わったのか?

●ほぼボット対応に振り切っている
●UIが良い(見易い会話し易い)

シンプルにこの2点です。
以前はあった、「私が担当します!●●です!」みたいな挨拶もなくなっていました。

 −チャットの流れ

「チャットで相談」を選択すると、ボットでここまで表示されます。

指示通り、「行き先」から順番に答えますが、ここまでもボット。

ここまで2分です。そして「24時間以内に返信するね!」と返ってきます。実際には約2時間後にプランの返信がきました。

上記の様なザックリ提案にそのまま続いて、下記の様な「フライト」と「ホテル」の情報を、LINE画面上で、カルーセルで確認できる仕様で返ってきます。

更に続いて、こちらが話しかけるまでもなく、「予約フォーム」へと誘導されます。

1日返信せずにいると、ようやく、対人チャットが返ってきました。

航空券を推してくる姿勢は、そのままです ✈️


 −使って感じたこと

一言で、使いやすいです。

前回の記事で、TabiTabiの見解をこんな風に言いましたが、

tabitabiさんから感じ取れるのは、チャットできちんと旅を想起させるが、実際には予約してもらえるなんてそこまで期待していなくて、最悪航空券だけでもウチで買って行ってよ。という潔の良い姿勢です。(完全な主観)

潔く、見やすく使いやすくなっています。
今回は、TabiTabiさんを使って、バリに行ってみることにしました。


BtoB事業のススメ

この「チャット販売モデル」には、基本的に賛成で可能性を感じています。

しかし、戦い方を間違えるとマネタイズは難しいという意見に変わりありません。

つまり、「相談できる」という点で差別化を図りに行くと、失敗するということです。


オフラインもオンラインもわかる僕の見解は、

「その機能(オペレーション)を、リアルの旅行代理店に売ったら一番儲かるよ。」

でした。


※前回の記事はこちら


リクエストと一緒にお待ちしております。