棚田の美しさと抱える問題
先週、兵庫県の養父市(やぶし)という町に取材に行きました。
ここの観光スポットは"棚田"です
鉢伏山(はちぶせやま)の中腹 標高700mの地点に棚田が広がっています。
その向こうには、兵庫県最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)を望める風光明媚な場所でした。
棚田というと日本の原風景というか懐かしさを感じます。
日本人がいかにも好きそうな、清廉で慎ましい清らかさを感じさせます。
私も「あぁいいなあ~」としばらく棚田の美しい風景に見とれていました。
しかしお話を聞いているとそんな「きれいだなぁ」だけではすまない深刻な課題があるようです。
それは、担い手不足です。
水田は平たんで広大な土地を大きな機械で一気にやった方が効率良くたくさんのお米を作ることができます。
棚田は土地が狭いですから大型機械は入りにくい。
棚田がある場所も町なかではなく、山の中ですから田んぼに来るだけでも大変です。
つまり手間がかかる割にそれに見合うお米を量産することは難しい。
生産効率が高くないため、仮に外部から「やりましょう」という人が現れたとしても棚田だけで生活を維持していくことは簡単ではありません。
現在この棚田をやっている8名の方々もほぼボランティアで、熱い使命感に駆られてやっておられる方々ばかりだそうです。
後何年かはなんとかなるかもしれませんが、次の世代へ棚田を受け継いでいくことができるのか。
すぐには解決策の見つからない問題を突きつけられて「う~ん」と唸ってしまいました。。。
国土の狭い日本において山間地や傾斜地にも田んぼを作ってきたのは先人の知恵と努力の結晶でしょう。
また棚田は美しい風景だけでなく、自然の生態系的にも大きな役割を果たしているそうです。
それは「保水力」です。
棚田が無くなったら山の保水力が落ちて、大雨が降った時には一気に洪水となる危険性を孕んでいます。
実際、以前訪れた高知県では、山の中腹にある田んぼが休耕地となって以降、下流で洪水が発生するケースが激増したという話を聞きました。
棚田にせよ植林にせよ、人が一度手を入れたところはずっと維持していく義務が私たちにはあるのですね。
単なる観光スポットとしてだけではなく自然体系を守り繋いでいく意味でも棚田が果たす役割は大きいのです。
皆で知恵を出し合ってなんとか未来へ繋いでいきたいですね。
2024年6月13日
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