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トロント、Canada CN Tower
文字数:6224字
この記事を観に来られた方、Statue of Libertyに珍しい写真を加えました。意外と知られていないのではないか、と思っています。
今回分全体に目を通して見ました。誤字変換ミス多数発見。この記事では自分のことを「僕」で書いていますが、そのままにしています。あえてそうしたので・・・。2022.7.2
PC画面の地図
僕は自宅の書斎でノートパソコンをのぞき込む。PC画面には何やらどこかの地図が画面いっぱいに広がっている。その画面の地図を大きくしたり小さくしたりの作業の繰り返しだ。そして、ついに地図を航空写真へと変化させる。すると、そこにはきれいな街並みが描かれている。
書かれている文字は、全て英語だ。また航空写真から普通の地図へと戻す。拡大したそこには、地下鉄の名前。広場の名前。教会やホテル、大きなスーパーの名前、美術館の名前。大学の名前などが示されている。
僕はいよいよカナダのトロントへと出発することになるのだ。
それより半年以上も前の1月初旬にネットで航空券とホテルを予約した。何と言っても早く予約すればフライトチケットが安く買える。ホテルも予約が埋まる前に手に入れることができるのだ。
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この旅程は、まずトロント滞在7日、その後Manhattanへ飛んで7日滞在という何とも贅沢なものにしていた。そのためにこのような地図で実際に現場を歩くかのようにシミュレーションをしていたというわけだ。
この記事のタイトルに「CN Tower」としているが、Dandus広場を中心とした地域も含んで紹介してみたい。紹介というよりは、自分はここを歩いたぞ、というものを写真を通して振り返ってみたいと思っている。
Dandus広場は上の地図(航空写真も)には出てこない。大した広さがあるわけではない。何となく人が集まりストリートパフォーマンスが細々と行われたりしているだけだ。ここから僕が宿泊したアパートメントまで徒歩15分くらいだろうか。
外国ではきょろきょろ初心者風に歩くのは良くないのだ。いかにもいつもの道を通るかのように自信たっぷりにスーツケースを引っ張るのだ。それが安全につながるからだ。特に初めての場所は要注意だ。僕にとってはこの時がカナダは初めてみたいなものだ。ナイアガラ以外は行ったことがないからだ。
安価なフライトチケットを手に入れると、必ずと言ってもよいほどトランスファーに時間を要する。香港(例えばの話)で10数時間なんてことは当然のようにあるので読書がたっぷりできるというおまけつきだ。
フライトのキャンセル
トロントに行く前にワシントンDCの空港で乗換のこれまたおまけつきだ。しかも、アジアから乗り込んだフライトが遅延してしまい、駆け足のようにしてトロント行きのフライトのゲートまで急がないといけなかった。
無事に乗り込めたのは良かったが、フライトがなかなか動かない。読書をしていたので気が付かなかったのだが、周りが何となく雰囲気が悪くなってきた。ふと顔をあげると、乗客がそれぞれの座席でざわついていた。時計を見てびっくり・・・。すでに予定よりも30分以上も経過していたのだ。
窓の外を見ると、すごい嵐だった。雨も風も強烈そのものだった。読書どころではなくなった。斜め前のカップルが荒れていた。男性がすごい勢いでCAさんにかみついている。どうしてくれるんだ、予定が狂って困るじゃないか、とでかい声で騒いでいた。連れの女性にいいところを見せたかったのかもしれない。
機長からのアナウンスが火に油を注ぐ。あと10分ほど待ってくれ、と宣う。冗談じゃないと相変わらずの大声で騒ぐ男性。すると後ろの方からそのフライトの乗務員ではない同じ航空会社の制服を着た男性が、威風堂々と現れ、かの男性に一言二言小さな声で押しのきいた調子で語る。途端に男性はしゅんとなってしまったのだ。多分、仕事を終えて元の職場に戻るために同乗していたのではないかと思った。
結局フライトは合計1時間も駐機した場所から1cmも動かずにキャンセルになったのである。
嵐のために近郊のフライトは全てキャンセルになった、とのことだった。
次々に降りる乗客。その中に混じって僕も降りる。スーツケースを手元に取っておきたい人はバゲッジクレイムの何番で、などと次々と投げかけられるアナウンス。一つでも聞き逃すまいと僕は必死だ。必死に耳を澄ませながら次にどう行動すべきかを考える。ホテルを取る人は・・・どこそこに行く人は・・・
頭の中がパニックになる。
こんな時には、大事なことは「深呼吸」だ。不思議に心が落ち着くのだ。落ち着いて周りを見たらもっと落ち着くのだ。アメリカ人でさえそこらじゅうでおたおたしているのが見えてくるからだ。それを見るとますます心が落ち着くから不思議だ。そして次に何をすべきかが湧いてくるのだ。あちこちにできている列の一つを選んで、並んでみた。並んでから周りを見ると正しい列に並んでいる自分を発見する。
これでも端折って書いているのだが、それすらも省略した方がいいともう一人の僕が書いている僕に語っている。そうしないと多分、CN Towerにたどり着けなくなりそうな気がしてくる。
仕方なく僕は順番待ちに集中して書こう。つまり漸くフライト確定のための順番が来たのだ。ところがどっこい、トロント行きのフライトは既に満杯の状態だ。結局提案されたのが、モントリオール経由トロント行きの便だ。僕はノーとは言えないのだ。時間が時間だからだ。どんだけ列に並んでいたというのだ。フライトが決まったのが夜中の2時だ。とりあえず朝までベンチで寝よう。
そういうわけで、シカゴのオヘア国際空港以来の空港での「野宿」となった。ここではたくさんの乗客が所狭しといたので、全く怖いことはない。そして僕は翌日の便で出発した。今思えば、モントリオール経由で得したかも・・・という気持ちもある。いきなりフランス語がひしめきあっていた。文字も話の言語も雰囲気も。。。
その写真や動画が見つからないのが残念だ。しかしその分トロントに話を移すことができる。
トロントには知人が待っていてくれた。夜中の熟睡している時に電話でフライト変更を伝えていたのだ。列の前にいた青年(彼に関する面白い話は飛ばすとして)が携帯を貸してくれたのだ。
僕が心配していたのは、スーツケースの紛失だ。そしてその心配は見事的中した。何度も経験していたので何とかなると思ってはいたが、無駄な時間が増えることが嫌だった。そしてこの心配も見事的中!一度出たバッゲージクレイムから(これも省略だが、レアな経験だから本当は書きたいのだ)また同じバッゲージクレイムの場所に戻って自力で探したのだ。努力の甲斐あってついに手中に自分のスーツケースを確保した。
Toronto Furnished Living
知人の車でToronto Furnished Living(アパート)に運んでもらった。助かった。とても助かった。というのはそのアパートにはフロントがなくて電話での連絡しかできなかったからだ。僕は海外旅行では携帯を持っていかない。迷ったりすることが楽しい経験になるからだ。
係りの人はすぐに出てきてドアを開けてくれた。
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知人が次の日に連れて行ってくれたのがCN Towerだった。
特に行きたかったわけではなかったが、トロント市内を歩きまわるには絶好の道標となった。道が分からなくなると顔を上に向けさえすればいいからだ。しかも、このタワーはHarbor Frontを見下ろす場所だから、そちらを向いて右か左かで動きを考えれば済むのだ。僕のような方向音痴の人間には助かる。
航空写真を見ればわかるように、その隣にはドーム球場がある。大リーグのトロントブルージェイズの本拠地だ。僕が行った時には、ソフトバンクホークスから川崎宗則が在籍していた。僕はCN Towerタワーから球場を見下ろしてムネリン(彼の愛称)のことに思いを馳せたことを思い出す。
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球場はその日のナイターに向けてグランドを整備している最中だった。まさに展望室から真下に見えるから圧巻だ。マンハッタンにある3か所の超高層ビルからの眺めとはまた違う好感触を得ることができた。知人のおかげだ。
僕は基本的に自分一人で歩きたいのだが、知人とは30年ぶりくらいだから滞在期間の2,3日は付き合ってもらった。このCN Tower、St. Jacobsそして知人の息子が所属しているアイスホッケーチームの練習試合観戦だ。どれも一人では経験できなかったことなので、とても楽しかった。特にSt. Jacobsの訪問は僕のたってのお願いだったのだ。この件はまた別の記事で扱う予定だ。
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ダウンタウン側のどこかにアパートがありはしないかと注視したが、見つからなかった。反対側の湖を見下ろすと、なんだか懐かしい気分になれる。僕が住んでいる場所が海のすぐそばだからだ。勿論景色は全く異なる。しかし水がある景色はとにかく懐かしくなる。CN Towerからの水の景色は、湖の大きさを十分表現してくれていた。イギリスの湖水地方とは趣が大いに異なる。
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ガラスの床
僕は基本的には高所恐怖症だ。それでも展望室から見る景色は好きだ。上に上がった甲斐があったというものだ。とは言え、その床がガラスか何か透明なものでできていたら、足がすくんでしまう。CN Towerの床の一部がそんな高所を体験させようとしている。僕は知人が写真を撮ってあげるからガラスの上に立って・・・と言われ、しばらく躊躇してしまった。そしてデンバーでの体験を思い出した。
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Denverでの体験
Denverは「マイルハイシティー」と呼ばれている。海抜1マイルの地点にあるからだ。一応手元に探し当てた写真を載せておこう。写真にある吊り橋は車も人も通れる。当時は世界一高い場所にある吊り橋という触れ込みだ。足元を見ると、はるか200mほど下が見えるのだ。木を渡されているのだが、木と木の間が大きな隙間がある。その隙間に足が取られるのではないかと、僕には思えてしまった。
その下まで行けるケーブルに乗ってみた。足の太ももが緊張した感触がいつまでも残った。かなりの急角度で降りるのである。その写真もついでに載せてみる
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![S1950003 - コピー (2)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76231944/picture_pc_5581828cc69f38f7f0276ea451959fe1.jpg?width=1200)
アルバムにあった写真をカメラで撮ってみた。
CN Towerの硝子盤に乗るよりも、ロイヤルゴージの渓谷を降りて行くケーブルの方がはるかに怖かった。角度があまりに急だったので、ケーブルに乗ったことを後悔したほどだ。
この橋を歩いて渡ってみた。隙間が大きく見えて身体ごと下に落ちてしまいそうな怖さを感じるほどだった。その橋の手前に展望台的な場所があって、何気なく顔を遠くに向けてみてびっくりした。とても大きな鹿がじっとしていたのだ。撫でてみたくなったが、やはり怖かった。当時はフィルムカメラだったため、フィルム切れが悔やまれる。その代りにカメラがとらえたのは、ウサギだった。
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ロイヤルゴージというキャニオンを見ながら雑談をしている時に、添乗員がグランドキャニオンよりもここのキャニオンは分かりやすいですね、と話してくれた。グランドキャニオンは大きすぎて全体を把握できなかったというのである。僕は行ったことがないから返事のしようがない。
行き損ねたグランドキャニオンばなし
実は1970年にミシガン大学に短期留学した時に、帰りのフライトをキャンセルしてLAまで長距離バスでアリゾナ州のフラッグスタッフ(グランドキャニオン観光の場所)泊の計画を立てることにしていた。ミシガン大学に行ってからいろいろな人の話から、どうしても寄ってみたくなったのだった。
いよいよ旅行社の窓口に相談をしようとしていた時に、シアトルの妹の知人から電話が来た。帰りにどうしてもシアトルに寄ってほしいという内容だった。僕はシアトルにも寄ってみたかったので、その人の誘いに乗ってしまい、ついにFlagstaffには未だに行ったことがない。グランドキャニオンとの接点は唯一空からだ。妻とのアメリカ旅行(16泊のオリジナルツアー)でWashington DCからの帰りの便だった。突然機長の声がした。
「現在当機はグランドキャニオン上空を飛行中」
妻のために窓側の席を取っていたので、早速窓を開けてみた。下の方を見るとはるか下の方にキャニオンが見えたのだ。興奮した。あんな上空から見てもそのキャニオンの大きさが分かるほどだった。飛行速度は当然早いのに、眼下に見えるキャニオンはまるで飛行機が進んでいないかのように、長い間同じ景色を見せつけた。15分くらいは続いたような気がする。カメラは手元に置いていなかったので、写真がないのが今となっては残念だ。しかし、その景色は自分の脳裏に今でもしっかりと思い出せる。キャニオンの高さが地球のものとは思えないほど直立して見事だった。
また例によって、話が軌道をずれてきた。危うく自分が通った日本以外の橋にまで話を動かしそうになっていた。
と言うわけで、CN Towerの話に戻さなければならない。
Edge Walk(エッジウォーク)
当時日本でも有名になっていたCN Towerのアトラクションは、ガラス張りの床だけではない。まずは写真を見ていただこう
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高所恐怖症の人には考えられない。CN Towerが高さがどれくらいか調べてもいないから分からないが、何と言っても外だ。風だ。マンションの11階に住んでいたから、風の恐ろしさは経験済みだ。大きな一枚板のガラス窓のガラスが大きく反ったことがある。指が入るほどに隙間が空いたのだ。怖かった。
この体験費用が2万円ほどだったように記憶している。お金をもらってもやってみたいとは思はない。しかし、その準備をしている人たちの姿を見た。みんな笑顔なのが印象的だった。緊張の中にもワクワクしていた。
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(写真の女性はとても素敵な笑顔だったのだが、許可が取れないので・・・)
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いそいそと外に出る準備をしているこの方々は、とても楽しそうだった。ワクワクしているに違いないのだ。いわゆる「exciting」の真っ最中だ。だからビデオカメラにも気さくに対応してくれた。もっととってもいいわよって雰囲気だ。
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実はここでのビデオは許可をもらっていない。途中で気が付いたのだが、そのまま撮り続けた。目が合うと、少し照れた表情が見えたりもした。緊張感が伝わる笑顔だった。怖がっていることを悟られたくない笑顔だった。でも素敵な期待に満ちた笑顔だった。
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外に出たら、彼らはいろいろな動作をして恐怖と闘う。いや、恐怖と闘っているのは高所恐怖症の僕自身なのかもしれない。
命綱を信じていたとしても、感服するしかない気分になった。
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![S1920001-3 - コピー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76555287/picture_pc_6b69913c6ad840c3bff03bd75af13966.jpg)
CNタワーに、もう一度行ってみたい気分になってきた
完
現在進行中の記者の記事は
「ワクワクガックシルンルンシリーズ その1~その3」
「黄色いラッパ水仙」(ほぼ私小説)
「輝けガラクタ!」(私的ア-ト物語秘話)
「写真もアートも自作のオリジナル」
「New York 見聞録 その1~その6」
「アメリカ留学 きつい たのしい その1~その2」
その他
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