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Rodeo Drive & Melrose Ave. 周辺

文字数:4677字

バス利用の(私にとっての)メリット

 通りの名前を忘れてしまったが( S Vermont Aveだったか?)、私はハリウッド地区で宿泊していて、地下鉄もバスも利用しやすいロケーションだった。そこから南方面にバスで行き、東西に行くバス路線(ウィルシャーブルバードだったと思う)を利用してダウンタウンを散策した。
 このバスがなかなか面白い。客と運転手の女性との喧嘩や客同士のもめごとを身近に感じることが出来るのだ。勿論身近だが気持ちは遠目に見るのだ。
 乗る時に降りるバス停に停まるかを聞くことにしていたのだが、ダウンタウンLAのバスでは頻繁にそっけない運転手に出会う。地元の客が多いからなのだろう。だから私はバスを利用する。人々の日常が見られるからだ。
 東西線(私が勝手につけた)のWilshire blvdを東方面にはパラマウント、biverly hills blvdを西方面に行けば今回の記事の場所に行きつく。いわゆるビバリーヒルズ周辺だ。
 いつものように無計画に移動していた。一応の目的地は「La Brea Tar Pits Museum」だった。これも1970年に兄に連れて行ってもらった場所だ。ところが降りるバス停を間違えて、後戻りをしたリ(勿論バスで)しているうちにその目的地が分かると、別の日に行くことにして・・・という無意味な動きをするのだ。そして見つけたのがRodeo Driveというわけだ。
 Wilshireブルバードから北のbiverly blvd、そしてもう少し宿泊ホテルに近いMelrose Ave.という地理的感覚がバス停を間違えたおかげで大した時間のロスもなく把握できたのだ。
 ビバリーヒルズ方面も兄に案内されている。それも暗くなりかけていたから、結構怖かった。兄も、この辺りは御曹司たちが麻薬を路上でやっていたりするから降りないで行くよ、などと怖がらせる。あちこちでロケらしき景色が見られて、さすがだ、とその光景を今でも焼き付けられているほどだ。
 
 私がロデオドライブに行ったのは、大した理由はない。アメリカのTV番組でその名前を知ったからだ。出張で西海岸を一人で旅をするがごとく、Seattle、Portland、San FranciscoそしてLos Angelesをカッコよく言えば視察に行った時にホテルで見たのだ。1983年のことだ。留学から帰国した翌年だ。LAに行くチャンスがあれば、行ってみたいと思ったのだ。
 Melrose Ave.だってTVで知った名前だ。もっともMelrose Placeのことだったが。
 私は以前にも述べているが、ブランドへの憧れなど皆無だ。マンハッタンの5番街で嫌というほど見たけれど、やはり興味はわかなかった。それなのにビデオを撮ったりしたのは、帰国後学生や中高生に見せてあげたかったからだ。

Rodeo Drive

 本当はそこがRodeo Driveということに気づいてはいなかった。そこだけ人が多かったから、どうせなら寄ってみようと思っただけだ。

 ブランドの店立ち並ぶ曲線的な街路を通り抜けると、この馬の像が勢いよく姿を現した。ブランドに興味がなくても、私でも知っているブランドの店がキラキラとして観光客の目を楽しませてくれた。

 私にとってはこの泉が出発地点だ。泉の右側に誘うような階段が続いていたので、味わうように階段を上った。まだそこがブランド街とも気づかない。

 次々と階段を下りてくる観光客。どの顔も満足げだ。家族連れも多い。ビバリーヒルズ・ブルバードからこの階段につながっている。
 私はただ単なる物見遊山観光客だ。何も買おうなどとは思ってもいない。どんな店が立ち並んでいるのかと興味津々だ。

 何といってもこの区間は全域歩行者天国なのがいい。だから通路の真中にはいろいろなオブジェが目を楽しませてくれる。立ち止まるもよし、カメラを向けるもよし、たまたま隣に居合わせた人とおしゃべりもよしだ。

 店の前なのだが、こうなると何が何だか分からなくなる。それでも楽しい時間を過ごせるのだ。

 折角ピアノがあるのだから、Union Station LAやVenice Beachのように実際にどなたかが弾いてくれたらもっと良かったのに、それが少し残念だ。和t氏は勿論そんな技術はからっきしだ。
  ここを通り抜けると、最初に書いたように終点みたいなものだ。

Antique Shops

 ここから来た方面にウィンドーショッピングでもしながら、Melrose Ave.に行くも良し、バスに乗って行くもよしだ。Rodeo Drive周辺をもう少し堪能するのも楽しいだろう。

 ここはまだRodeo Driveの境界地域だ。周りはブランドショップが立ち並んでいた。ま、私には関係ないのだけれども・・・。そうは言っても折角寄ったのだから無視するのはさすがの私も気が引けていたのだ。
 
 Melrose Ave.近辺に向かう途中の店の画像は、必ず説明してビデオ撮影の許可を取り付けてから落ち着いてカメラを回した。出る時にはお礼を言って出た。日本で若い人たちに授業の中で見せるというのが気に入ってもらえたのかもしれない。

 この界隈は骨董品の店が多いとは聞いていたが、この店はインテリア商品が所狭しと展示してあった。店主は店番に飽きたかのように、木のない返事で撮影の許可をくれた。店員さんは見当たらず、のんびり撮影させてもらった。私の好みではなかったが、最初の店としては練習にもなって楽しかった。

 空いた個所にとにかく商品を「置いた」という感じが、私にはアメリカンな感じがして面白い感覚だった。

 鏡の額縁があったので、遊んでみた。
 鏡に自分が映り込んでみたのだ。数少ない私という人物がアメリカに一人旅をしたことの証拠写真なのだ。

 この店には驚いた。とにかく蝶番やらボルト、ナットなど金属でできたありとあらゆる部品が大小さまざまきちんと整理されて展示されていた。
 私の知人がボルト、ナットの卸専門で仕事をしている人で、注文があると家族総出で数を数えて準備するということを聞いたことがある。実際にその現場を見たことはない。引っ越しの際に軽トラを借りたことがあるくらいだ。何度か自宅に遊びに行ったが、そんな気配すら感じられなかった。
 この店に入ってすぐに、彼のことを思い出した。
 私はDIYなど好きなので、この店は何となくじっくり見て回って、ウキウキしたことをお乱す。

 この店は中古品中心なのか、いわゆる骨董的価値のあるものを並べているのか分からなかった。見て分かる通り、さびが一杯のものも堂々と展示してあるのだ。と、ネガティブな目で見ていたわりには、私はついいくつか買ってしまったのだ。見ているうちに魅力に取りつかれたに違いない。

 よほどこの店が気に入ったと見える。とにかく私が欲しい物が満載なのだ。だからと言って、もし手に入れてもいつどんな風に使うつもりなのかが思いつかない。旅行中なので、金属は重い。というわけで、買いたいのを我慢して映像という形で手に入れてきたのである。

 同じものが二つと無いように見える。それでいて、興味のない人には、全部が同じに見えるのではないかと思えるのだ。だから、店を覗きに来る現地の人たちの目はワクワクしていた。言葉は発しないけれども、興奮している様子がうかがえて、それがまたワクワク感を増してくれるのだ。

 映像内の狭い階段も上ってきたのだ。特に何がったというわけではないが、秘密の扉に通じているかのような気がしたのだ。そして長い滞在が終了したのである。店主としばしの雑談をし、感動を伝えることが出来た。店主は満足げな様子で、わざわざ立ち上がって私が店外に出るのを見送ってくれた。

このはかりも欲しかったものの一つだ
この大掛かりな測りも気に入ったが・・・

 このAntique Shopsが立ち並ぶ界隈は、Beverly Hills BlvdからMelrose Ave.へと北につなぐ大きな通り沿いに軒を連ねている。時々大きな車道を渡らなければならない。

「Liz’s Antique Hardware」
「Loft at Liz’s」

 この店は上記の骨董屋とは反対側(Melrose Ave.に向かうと左側)に建っている。この界隈は主として大きな品物が多い。

 私を見つけられるだろうか。ウィンドーショッピングをしていたら、映り込んでいたのだ。手前のトランクのようなものは、歩道側に置いてあるものだ。

 隣は絨毯を主として扱っていた。鮮やかな色合いが美しい。

 店の前に絨毯が敷かれていたのには驚いた。しかし考えてみれば、驚くのは日本人だからなのだろう。靴を脱がない文化のアメリカでは、外も内も同じ扱いなのだ。LAに住んでいた兄のアパートの外階段も毛足の長いじゅうたんが敷かれていて驚いたものだ。

 絨毯専門骨董屋の隣は、でかい物主体だ。大きな庭の置物が目立っていた。

 ビデオを回しながら許可を求めると、「Sure」と応じてくれた。

 とにかくでかいのだ。店主も出かかったが、置いているものがでかいのだ。こんなでかいキリンをどこに置くというのだ。などと独り言を(心の中で)言いながら、店中を眺めまわしてきた。

 私の趣味に合うようなものが見当たらなかった。見つけたとしても帰るわけもない。持ち帰るなどとんでもない。

 私が以前住んでいた地域に似たようなでかい店があった。とにかく置いてあるものがでかいのだ。私は散歩がてらよくその店によって楽しんだ。でもそのうち寄らなくなった。いつも同じ場所に同じものが置いてあったからだ。そのうちその店はついに閉店してしまっていた。

 唯一興味を持ったのがこのでかい測りだ。でも何を測るのだろうか。これを支えている金属がどれもこれも相当重そうだった。それを測るのだろうか?

 見るのに疲れて店の外に出た。でも外にも山ほどの品物が陳列してあった。ボートだ。木製だ。沈みそうなボロさだ。でも和t氏は立ち止まってじっと見てしまった。庭に置いたら良さそうだ。でも当時私はマンション住まいだった。今は戸建てだが、こんなボートを置きでもしたら、庭がなくなって通るたびに家族に文句たらたらいわれそうだ。勿論、最初から買う気などさらさらなかった。

 そうこうするうちに四差路に出くわした。Melrose Ave.に到達したのだ。通りの響きで急にウキウキしてくるから不思議だ。

Melrose Ave.とその周辺地区

 さすがMelrose Ave.だ。観光バスが走っていた。2階がオープンだ。

”Eat Ramen”
「ラーメン食べな」
ラーメン屋の表側

 私が気に入ったMelrose Ave.の良さは、

 New Yorkとは違うことだ。Washington DCとは違うことだ。San Franciscoとも違うことだ。
 高層ビルがないところが新鮮だ。ホワイトで囲まれた雰囲気とは違うところが新鮮だ。ヨーロッパ風味が少ないところが気持ちを高めてくれるのだ。
 建物が低いので、ずっと先までたやすく見通せるのだ。

ネイルサロン発見!
Tatooの店発見!
この店も骨董屋だった。
この店でアメリカ国旗を買った。
この店の中をビデオで残さなかったことが悔やまれている。

 まだいろいろと画像はあるけれど・・・Melrose Ave.の紹介はこれくらいにして・・・お・わ・か・れ・!

  完  2022.9.2






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