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【商業BL感想】それでも、やさしい恋をする ヨネダコウ

【旧ブログより】
2017年6月14日 (水)
特に何も起きないけど忘れられない、どこかに本当にありそうな話

【あらすじ】
年下でノンケの小野田に3年間片思い中の出口。周囲にも小野田にもゲイであることを隠し、一夜限りの相手とそれなりに遊んではいたが、小野田がゲイの部下を好きになってしまったと告白してきたことで、今まで演じてきた良き友人という役割を続けることが難しくなり・・・

CP 小野田×出口

【感想】
名作『どうしても触れたくない』のスピンオフ作品。どうしても触れたくないのように、特殊な過去や事情などは一切出てこない、ごく普通のありふれた恋の話。

どうしても触れたくないとセットで読むとより楽しめるので両方読むことをお勧めするが、私が何度も読みたくなるのはこちらの作品。

とにかく出口がかわいい。
普通に女からも男からも超モテるだろうよ、こんな男。
気さくで男前、クールに見えて実はお人良し。しかも床上手。さっぱりした(ように見える)性格で友達も多い。さらに、友達(小野田)の良いところはちゃんと見てくれていて、(よくわかんないけど)仕事も出来そう。

彼氏にしたら最高だと思うんだけど、小野田はいいやつだけど鈍感でちょっとズレてるからその魅力になかなか気づかない。でも、出口が実はヤバいって気づいてしまったら、もう嶋くんのことなんかなかったかのように出口の過去の男に嫉妬したり、過去の自分の鈍感さを後悔したりで小野田やっぱりいい奴。

出口はどこからどう見ても受けなんだけど、小野田はなぜか抱かれようとしてしまい出口を怒らせてしまうシーンが私は好きなのだけれども、そういう小野田の天然さと懐の深さに出口は惹かれていったことが伝わってくるので、小野田には3年分思い切り出口を甘やかしてあげてほしくなる。

本当、何度も繰り返すけど特に何も起きない話。でも、小さい日常のエピソードの積み重ねが、じわじわと効いてくるタイプの名作。相手を慈しむようなやさしい恋だと思う。

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