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全ての凶悪は貴方にある!…ガスライティングという名のハラスメント

職場や友人といった人間関係のトラブルの中で「貴方が原因で、ここの人間関係がギクシャクしている」と責め立てられるシーンに遭遇したことがある人もいるかと思います。

全ての凶悪は貴方にあるというように、自責の念を持たせる手段…

これをガスライティングと言います。

ガスライティングとはガス灯のことを言います。

何故、ガスライティングというのかというと、これは映画の名前が由来となって付けられた名称です。

ガス灯の存在が…というよりは、この映画の内容の中で、このような嫌がらせのシーンが由来となって付けられています。


心当たりは?

ハラスメントというと、大声で怒鳴りつけるように、あからさまな暴力的な行為に見えるものがありますが、ガスライティングは、加害者が一見正当性を見せつけながら、被害者を巧妙に悪として位置付ける手段です。

この加害者は口弁に長けており、自分より立場の強いものに対しては、常識人のように振舞います。仕事ぶりは優秀で、社会では常識に一点の狂いもなく適応しており、常識人に見えるくらいです。

もし、このような人にガスライティングをされると、次のような言動を繰り出してきます。

  • 貴方のような人は、何処に行っても通用しない。

  • 貴方の判断は全てが間違っている。

  • 貴方のせいで周囲の人間関係が乱れている。

  • 貴方のせいで、あの人は著しく傷ついた。

  • 貴方のその行動が原因で、あの人は貴方を恨むようになった。

  • 貴方のやっていることは、世間一般から見たら、ハラワタが煮えくり返る程ムカつくことよ。

  • 貴方がいるせいで、周りが不幸になっている。

  • 貴方の自己管理能力がないから、物事が滞るのよ。


これを聞いて「ふ~ん、こんなのスルーすれば~」と返せる人もいます。

これを返せるという貴方は、きちんと親から大切にされて育てられている証。

中には、このように責められると、自己嫌悪に陥る人もいます。

しかし、自己嫌悪に陥った相手を見て「貴方に性格に問題があるから…」と責めると、相手はもっと傷つきます。

これは、自己嫌悪に陥るかどうかは、表層意識で起こる問題ではないからです。

三つ子の魂百までもというように、幼少期の出来事は、潜在意識に深く切り刻まれます。このようなネガティブな言葉の影響を受けないように強く振舞おうとしても、この言葉の棘は、覆いかぶさってくるように襲ってきます。


一見正しいその裏の心は…

一見正統派に見えるガスライティングの加害者は、実をいうと「相手を蹴落としてやろう…」という心理が働いています。

その真相は個人差があります。

自分を良く見せつけたいと思う人もいます。

また、日本人の多くには「社会的要求」があります。

特に会社に所属することは、縛りがありながらも、生活や身分といった部分で保障があるため、会社を退職に追い込まれることに、少なからず恐怖感があります。そのため、自分がその会社に安定して存続できるための、自身を守る手段として用いる場合があります。

また、日本人には同調圧力の観念があり、人と違った行動を起こすと、変人扱いされることも少なくありません。

このようなことから、自分をおびやかす存在に巡り合うと、相手をグループや組織から外そうとばかりに、「貴方のせいで…」と責め立てます。

このような人には、独特の固定観念があり、常に私は正しいの価値観があります。


一種の洗脳

ガスライティングの被害を受けた本人からすると。。。

受けた本人は「私が間違っている」「私は変わり者なんだ…」 「私はどこで働いでも失敗に終わるんだ…」と責めるようになります。

性格的に器用な人は、加害者の言いなりになって人格が染まるようになるのですが、芯が残っている人からすると、加害者の言葉に矛盾を感じることさえもあります。

また、意志が弱く、すぐに加害者に言いなりになってしまうような人は、同調圧力に負けてしまい、まるで機械のように加害者の言いなりになって動くようになります。(大半の日本人に言えること)

案外、このような人は、言いなりになることで自分の身を守るので、案外強力な被害に遭わないのです…というのは、加害者の言いなりになっているので、加害者本人は自分が優れていると承認されていると錯覚し、ご満悦だからです。


一方「こいつ、おかしくね?」と思っても、潜在的に自己否定してしまう人は、恰好のターゲットになってしまいます。

自分を責められることは、根本的には不愉快…

中には闘争反応を剝きだして反撃する人もいます。

同じように反撃して、相手を攻撃すれば、相手を怯ませられるかもしれません。

しかし、これは野獣本能の人間がやることであり、決して賢明な対処方法ではないのです。

だったらどうすれば良いの?って思いますよね。。。


しかも、このガスライティングは、カルト宗教でも悪用されています。

「お前はサタンの血統だ…」「お前には業がある…」「お前の考えは間違っている!その考えを変えないと、お前はもっと不幸になり、障害を負う位の事故に遭遇するぞ!」…と恐怖心を煽り、罪の意識を植え付けて、金銭搾取を図るといったものです。


解決方法はないのだろうか?

このような扱いを受けた時の一つとして、第三者に相談する方法があります。

第三者と言っても、選ぶのであれば、自分をよく理解してくれている相手や、親見になって相談にのってくれる人を選ぶのです。

貴方を見方は、千差万別です。

貴方をガスライティング人の評価が全てではありませんから!


とは言っても、第三者に相談しても、その相手が「貴方に原因があるから…」との返答が来るとなれば、貴方は更に傷つくことになります。


この問題の解決を解く一番のカギとなるのは、自分自身です。

何故?って思うかもしれませんが、この出来事は自分の深層心理が編み出したもの…

遠い過去といっても、記憶にない過去の出来事かもしれません。

このような事実を引き起こしているということは、自分を責め立てる何等かの原因があった可能性があるのです。

例えば、兄弟喧嘩をすれば「あなたはお兄さん(お姉さん)だから我慢しなさい」「あなたが挑発するからいけないのよ!」「あなたはもう少し、お兄さん(お姉さん)に素直になりなさい」というように、責める言葉を日常的にかけられたというように。

また、物をなくしてしまい「あなたってだらしないわよね!」の言葉が心に刺さったまま時が流れていた可能性もあります。

兄弟や周りの人と比較をされ、他人が褒められるところしか見たことがない人も、潜在的に「自分はダメな人間だ」と植えつけられることから、自分を責めやすくなります。


ガスライティングによって自分の心が縛り付けられれば、それは自分で自分を苦しめることになります。

このほかにも、自分を締め付けてしまった出来事はないか、振り返ってみましょう。

自分を否定したり、「~しなければならない」という感情が、貴方を否定する現実を引き起こしていることに気づくでしょう。

そう気づいた時は、不思議と、ガスライティングの加害者が離れていいくように、現実が造られていきます。


邪悪な心が生ずる根源は、一言でいえば自縛プレイ。

これが、自分を束縛する現実を作り、ストレスを溜め込み、次第に恨み、嫉み、憎しみの感情を作り、最悪の場合は事件を引き起こすことさえもあります。


心の豊かさは、自由や心のゆとりがなければ生み出されないですからね。


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