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仮想事例から学ぶICF”CASE1 失語・高次脳”

こんにちは奥住啓祐です。

最近、オンラインでの症例検討会についてのご相談を頂くことが増えています。相談者の多くは新人~3年目のSTさんで、話しを聴いていると下記のような背景がある方が多いように思います。

・職場で十分な指導が受けられていない。
・学生や後輩に指導するようになる前に自身を持ちたい。
・成人から小児など新しい領域で働きはじめて助言が欲しい。

きっと皆さんも同じような気持ちを抱えているのではないでしょうか。オンラインでの症例検討会という事で、一番心配されることが個人情報の保護についてですが、発表内容について個人情報が保護されているか事前の助言指導の段階で確認し、検討会当日も少人数で非公開の場で行いますのでご安心ください。

今回お1人のSTさんが今月末の発表に向けて認定言語聴覚士による助言指導を受けているところです。現在発表に向けて頑張っているSTさん。検討会が終わった後はきっと日々の臨床だけでなく、今後の後輩や学生指導の内容も変わるだろうと感じています。

実際に助言指導を受けるなかでの発表者自身の気付き、そして変化していく発表資料を拝見するなかで、私自身、多くの言語聴覚士さんにこの症例検討会を通して指導を受けてほしいと感じています。

1年間で症例検討会の発表を行える人数は限られておりますが、ぜひ来年は言語聴覚士オンラインの症例検討会で発表することを目標の一つに入れて頂けると幸いです。発表するか悩まれている方もぜひ記事最後に掲載しているメールアドレス宛にまずは気軽にご連絡ください。

*今回の症例検討会は聴講参加枠はありません。3名の認定言語聴覚士等、最少人数で開催します。

さて、今回は「仮想事例から学ぶICF」と題して一緒に学んでいきましょう。ICFの記載例もダウンロードできますので、症例検討での発表に向けて、情報をまとめる際にもきっと役に立つと思います。

今回の学び方

①記事後半の2つの課題について考える。
仮想事例の評価内容を読み、後半に記載している2つの課題について考えてみましょう。ICFのワークシートをダウンロードできますので、印刷して自由に書いてみてください。

②回答例を参考に不足していた視点を確認
ICFの記載例についてデータを添付しております。課題1が終わったら、そちらをダウンロード(PCで)し、参考にされてください。きっと良い気付きが得られると思います。

③実事例について下記評価項目の特記を書く
皆さんが実際に担当されている患者さんについて、下記に記載している評価項目の特記を書いてみましょう。そして、課題1,課題2もぜひ取り組んでみてください。

④仮想事例1のワークを通して気付いたことを投稿
記事最後のGoogleフォームより、今回のワークを通して気付いたことを教えてください。共有頂いた方には課題2の回答例をプレゼントします。回答期限:2022年1月10日

仮想事例提供:認定言語聴覚士ゆうゆうさん
イラスト協力:増田廣介ST

仮想事例紹介

Case A:相生二郎さん,66歳,男性 現在発症して2週間が経過した。今後は回復期リハビリテーション病棟を挟んで、年明けを目途に自宅退院予定である。

【疾患名】アテローム血栓性脳梗塞 左前頭葉
【既往歴】高血圧、高脂血症、心房細動
【現病歴】10月5日9:00、発語困難と右上下肢脱力で突然発症。家人より救急要請があり、当院へ搬送。左前頭葉にDWIで高信号域を認め入院。
【内服】降圧剤(退院後も継続予定)
【健康状態】身長165㎝、体重66㎏、BMI 24.2(普通体重)

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国内外11人の言語聴覚士を中心に執筆。このmagazineを購読すると、言語聴覚士の専門領域(嚥下、失語、小児、聴覚、吃音など)に関する記事や、言語聴覚士の関連学会に関する記事を読むことができます。皆さんからの体験談など、様々な記事も集めて、養成校で学生に読んでもらえるような本にすることが目標の一つです。

国内外の多くの言語聴覚士で執筆しているので、言語聴覚士が関わる幅広い領域についての記事を提供することが実現しました。卒前卒後の継続した学習…

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