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30代中盤の非IT系業界の営業から未経験エンジニアに転身した男のその後

前回の投稿からあっという間に半年が過ぎた。どんな変化も日常というものになると過ぎていくスピードが加速度的に上がるもの。誕生日も迎えたのでこの半年とその間思った事を振り返ってみる。

誰が書いているか

歳は35歳。男性。東京の大学の文系学部を一浪一留の末、卒業。大学時代はサークル活動ばかりで全く勉強せず。リーマンショック直後の2009年3月に不動産会社に新卒入社、半年後にリストラに合い、その後、アパレル(半年)、食品商社(4年)、食品メーカー(3年半)と10年で4社渡り歩く。経験した職種は営業と貿易実務のみ。最終年収400万、家賃補助無し、賞与無し。鬱による休職歴有り、離婚歴有り。

2018年7月に退職し、帰国。6ヶ月プログラミングスクール「G’s Academy Tokyo」に通い、2019年5月より未経験エンジニアとして就職。そちらの詳しい話はこちら

一年半前(2018/6)

レストラン向け水産加工品メーカーの営業としてイギリスのロンドンに駐在。所長と二人の小さなオフィスで食品サンプルを小分けの小さな袋に詰め、その小袋でアイスボックスを一杯にして、ロンドンやイギリスの地方都市、その他ヨーロッパの主要都市のレストランに飛び込み、シェフを掴まえては営業をするドブ板営業。パワポでチラシを作り、エクセルに手打ちで在庫管理。数字の話をしても、美味けりゃ売れるの一点張りで添加物まみれのターゲットもよく吟味されない商材を持って、右へ左へ。

薄給の為、家賃の高いロンドンで一人暮らしも出来ずに、ブラジル人、ウガンダ人、イラン人の移民達と一つ屋根の下で出稼ぎ労働者の様に草臥れていた。

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現在(2019/11)

飲食店の様々な注文シーンをデジタル化する「platform(プラットフォーム)」というクラウドサービスを開発するスタートアップにてエンジニアとPMを兼務。開発業務ではNuxt.jsでの新サービスを開発後、現在はGoでのバックエンド開発とインフラを担当。5月の入社から展示会での営業、プロジェクトの管理、新サービスキャッシュレスセルフレジ「platfrom Kiosk」の開発、リリースに奔走。

学びながら猛スピードで開発する傍で、エンジニアチームがまだチームとしてまとまっていない状態だったので、認識の擦り合わせや作業方針、作業プロセスの話し合いを取りまとめたりして半年が過ぎた。チームもまとまってきた事も有り、代表から「今後、会社を引っ張るキーパーソン」とこの半年間のフィードバックを頂く事が出来た。

30代中盤での転職、しかも未経験職種への転職なんてと言われていた割にはキャリアのスタートとしてはかなり良い滑り出しとなった。

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転身して半年での所感

結論から言うと今、仕事が超絶に面白い。

給料は下がるし、下っ端になって教えを乞わないといけないし、今までのキャリアが無駄になるし、全然意味が分からんて人も多いと思う。自分も当初はそんな考えだった。でも今は育てているスキルで今まで思い描けなかった選択肢が広がりまくっている。超絶ワクワクする。

何歳であっても未経験領域で出せる価値:今までやってきた事、姿勢とメタスキル

振り返って一番重要だったのは、今までやってきた事でチームや会社に貢献する事だった。自分の場合は営業やプロジェクト管理、業務改善。もちろんエンジニアで採用されているのだから、開発は頑張らないといけない。でも未経験だから開発にだけ集中したいんですーではダメ。開発に割く時間が減ってしまうとしても自分が今までやってきた事で価値が出せる場面を積極的に引き受けて、開発以外でも良いから会社に貢献する事がまず重要だと感じた。

勿論エンジニアとして入ったのだから開発は頑張る。でも何年も開発をやっている人間と比べてアウトプットはどうやったって低い。それでもエンジニアチームに開発で貢献する事ができる。それは開発に向かう姿勢。自分がポジティブに熱を持って開発に取り組む事は自分よりもスキルの高いエンジニアにも影響を与える。

そして案外見落とされがちなのは仕事の進め方や根回しなど、スキルとは言い難いけど、仕事をやる上で鍛えられていくソフトスキル。IT系のスタートアップでは比較的若いメンバーが多い。スキルや知識はあっても人が協業する所で必要になるメタスキルはこちらの方が経験がある。そういった事は相談に乗ってあげる事が出来る。

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この先のキャリア観

今までのキャリア観では、この年齢であれば同じ業界にもう10年以上いて知識も人脈もあり、部下も数人いて、役職もあり、会社で中堅どころで、転職をしても同業界内の違う立場。40後半から50代をピークにするようなキャリアイメージだった。

しかし今はこういう転身をしたお陰でだいぶ違ったキャリア観を持つようになった。10年単位くらいで本業とする仕事をガラッと変え、掛け算で出来る仕事の幅を広げていく。その傍らで企業の枠を越えてプロジェクト的に世の中にインパクトを与える事業に取り組んでみたり。そんななんだかヌルヌルとして流動的でアメーバのようなキャリア観。企業に囚われないキャリア観。ピークは60代にも70代にも出来る。

そんな常に学び、変わり、枠に囚われない働き方は全然有りだし、出来るし、それで生きていける。それを実感として感じた半年間だった。

多くの人を不幸にしているその人自身の考え

転身をしてから、仕事について相談される事が増えた。自分の仕事に不満や不安を抱いている人達。そしてその多くが自分に刷り込まれたキャリア観に囚われて動けないでいる人達。自分の精神が擦り減っていっている事を自覚していても、散々刷り込まれてきたキャリア観を理由に我慢して継続しようとする。そして大体30中盤から後半にかけて病んでしまう。そんな様子を見ていると本当に心が痛い。

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改めて日本には不幸な会社員がものすごく多いと感じる。家庭があるとか、周りに止められるからとか色んな理由があると思う。でも実は一番自分を不幸にしているのは自分自身の固定概念である事が少なくない。

自分もそこに囚われてとても辛い時期があったのでその気持ちは十分分かる。でも今ならそんなものは自分を不幸にする枷でしかなかった事がよく分かる。

改めて、学び続け、変わろうと思うなら枠に囚われない働き方は全然有りだし、出来るし、それで生きていける。あなたがやってきた事は新しい領域でも無駄にならない。

そんな事を伝えたいなと思った半年間でもあった。

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