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動物園って…

1,動物園って・・・


突然ですが、みなさんは、動物園と聞くとどのようなイメージですか?
さらに言えば、何のために存在していると思いますか?

「檻に動物をとじ込めていてかわいそう…」


「見せ物にするために動物を飼育していて恥ずかしくないのか?」

「何のためにあるのかな…わからない。。」
「珍しい動物を飼って、それをお客さんに楽しんでもらうような施設?」


「単なる娯楽施設だよね・・・」

いろんな考え方があると思います。

僕は動物が好きなのですが、そんな僕でも動物園に対するイメージは
「楽しい場所!行ったらワクワクするよね・・・」
くらいのものでした。

では、動物園ってそんな感じのノリで運営されているのでしょうか。

ディズニーランドみたいに、お客さんを楽しませることをモットーに飼育員さんは動物を飼育しているのでしょうか?やりがいは何なんだろう。。。


それを知るべく、動物系の学部で動物園の役割について学んでみました。
(志望理由はそれだけではありませんが笑)


そうすると、だんだんわかってきたんです。動物園って何なのか、何のためにあるのか。。



結論から言うと、動物園には娯楽施設では収まりきらない重要な役割があることを学びました。

これをわかりやすく皆さんに伝えるには、飼育員さんの立場に立ってお話していくと明快かなと思い、「飼育員さんの想い」を考えながら、動物園の役割について書き記していきたいと思います。


飼育員さんは、動物を間近で見て、もっともその魅力をしるエキスパートです。そんな飼育員さんが、飼育するうえで直面する悩みや、克服するための工夫を知ると、動物園がさらに面白い施設として輝いて見えます。



アートボード 1 のコピー

2,飼育員さんが何を考えているのか


動物園の飼育員って、楽だと思いますか?動物と触れ合えて、毎日たくさん動物が見られて楽しそうですよね。でも、想像以上にたくさんのことを考えながら飼育員さんは働かれています。

なぜなら、動物を飼育することが一筋縄ではいかないことはもちろんですが、動物園に役割があるからです。


動物園は、
➀レクリエーション施設
→来園者の方々を楽しませたい!


➁調査・研究
→動物のことは、わからないことだらけだから調べないと!


③教育
→もっとみんなに動物のことを広めたい!


④種の保全
→動物を守りたい!


これらの役割をもつ施設です。飼育員さんは、4つ(もしくはそれ以上)の目的意識を持ちながら、毎日動物たちのことをおもいやって飼育作業に励んでいます。頭も、身体もどちらもフル稼働です。

僕は、娯楽的な側面以外にもこのような機能があるということを知ったうえで動物園に行ってみました。


すると、解説パネルや動物の展示の仕方、動物の行動などに対してより深い捉え方ができるようになりました。(誤解されないように言っておきますが、動物好きの僕にとって、動物園はとても楽しい場所です。娯楽施設として動物を飼うのはおかしい!!という気持ちはまったくありません。)


ただ、動物園の本質は、娯楽以外の機能にあると思っています。
調査研究・教育・種の保全といった機能について楽しく知ってもらうために、娯楽施設としての機能を充実させているということだという考えです。


もちろん動物園ごとに意識や予算に差があるため、すべての動物園でこれらの機能が完璧に果たされているとはいえません。しかし、調査研究・教育・保全の役割を強く意識している動物園が増えてきていることは確かです。


3,動物翻訳家

もっと動物園について知ってみたいけど、いきなり学問書みたいなのを読むのはなあ…と思っている方。

動物園の飼育員さんの内情を知るための教材として、この本がおすすめです。(単なる読み物としても面白いです)


【動物翻訳家:片野 ゆか(著)】

この本はノンフィクションです。実際の飼育員さん方の体験をもとに、動物を飼育することの大変さ、やりがいを4つのお話から味わうことが出来ます。出てくる動物は、
・ペンギン
・チンパンジー
・アフリカハゲコウ
・キリン


の4種類。小説とエッセイのいいとこどりのような読み味になっていて、おすすめです。

この本のタイトルにある「翻訳家」の意味が、最初はわかりませんでした。
しかし、本を読み進めるとその意味がだんだんと理解できるようになっていくんです。

どんな名著でも、言語がわからないと読めません。
それと同じように、どんなに魅力的な動物でも、
扱い方次第でその魅力の伝わり方は0にも100にもなるんです。
動物の魅力をだれよりも理解して、だれよりもそばで接する飼育員さんは、わたしたちにその動物の良さを「翻訳」して教えてくれます。
その形は、展示方法の工夫であったり、解説パネルの充実であったり、さまざまです。

せっかくなら、飼育員の方々の熱意のこもったメッセージを受け取らない手はありません。

「この展示にはどんな意味があるんだろう」
「動物ってこんな魅力もあるんだ」

視野が広がった状態で動物園に行ってみると、
娯楽施設の枠を超えた施設として、
より充実した時間をすごせるのではないでしょうか。

次動物園に行かれたときや、動物番組を見かけたとき、ちょっと見方を変えてみると面白いかもしれません。

最期までお読みいただきありがとうございました!


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