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中秋の名月

※冒頭の写真は中秋の名月ではありません。
今年の9月、tanuが仕事から帰ってきたら「お月見行きませんか」と言ってきました。

お月見というと、お団子やらちょっとしたお酒などもって見に行きたい質なので、なんの用意もしておらず難色を示すと
「びっくりするぐらい綺麗な満月なんだよ」と言います。

それでも、もうご飯の準備も終わっていたし今から出るのだるいなぁ…という怠惰な気持ちが優勢で
「もうご飯できてるよ」などと言って、行くのをごねると、tanuはとても残念そうな顔をしたのでした。

その様子がとても可哀想に見えたので、「じゃあゴミ出しして近所のスーパーに買い物に行くついでなら」と言って出かけたのでした。

外に出てみると、空気は涼しく、キンモクセイがどこかから存在を知らせていました。そして本当に真ん丸の綺麗なお月様は、やや赤みがかっていました。

「さっきはもっと赤くて大きかったんだよ」いい時期を見てもらえず残念そうです。

「いやいや、これも十分きれいだよ。面倒くさかったけど見てよかった」などと話しながら歩いていると、どこからともなく焼き魚の匂いがしました。

「これ、サンマじゃない?もう全力で秋をアピールしてきてるね!」などと、月よりもサンマの匂いに浮かれながら、時折立ち止まって月を眺めたりしたのでした。

帰ってからその日が中秋の名月だと知ったのでした。いいもの見れて良かった。