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22/03/17 口元チラリズム

最近知り合った女性にブロックされた男性が「何で嫌われたんだろう…まだマスクの下も見てないのに!」と嘆いていました。

なんだか令和な話だなぁと思いつつ、もしコロナ禍を完璧に自粛してる人がいたら、この2年、直接口元を見ることが一度もなく過ごした〈口元童貞〉が生まれているのかもしれないと考えたりもします。

口元が「ふだん見えないパーツ」になってから、マスクを下ろした異性の姿にふいにドキッとするようになってしまった人は多いんじゃないでしょうか。ふだん見ることができない場所というのは、見た瞬間に妙な緊張と興奮を覚えてしまいます。

ふだん見ることのない身体のパーツといえば、足の指もそうです。大学生以降ならサンダルを履く友人もいましたし宅飲みで裸足になる場面もありましたが、高校生までにはなかなか見ることのない部分でした。

水泳の時間、体育座りをしたクラスメイトたちの揃えた足先が視界に入ってきたときには、妙な恥ずかしさを覚えました。白くてツヤツヤで肉付きの良い指先は女の子らしさの象徴にも思えて、ついまじまじと見てしまいました(バレないように視界の端でこっそりと)。末端冷え性で血色の悪い自分の指先と見比べたのも懐かしいです。

新年度、新しい環境になったら無数の新しい出会いがある中で、そのうち何人の口元を見ることでしょう。

3月半ばの道端で、ペットボトルのお茶を飲むためにマスクを下ろすお兄さんの横顔を、視界の端でこっそり凝視しながら、そんなことを考えていました。

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