詩:ひみつ
「月齢14の夜」
「金の光が手ですくえるくらい」
「冬の繊維がふくらんでにじむころ」
「銀に光るハシゴをのぼろうよ」
「夜空の隙間から」
「まるで雲母を割ったような」
「優しい夢の構造が見えますが」
「それはぼんやりとつかみどころがありません」
(でも、あなたの瞳の奥にも存在します)
「神様の骨盤のなか」
「孵化したばかりの天使たちは」
「泡のような声でふつふつ笑っているよ」
「眠るまえ」
「ベランダに白いサンダルを揃えておけば」
「透明な蝶が沸くように」
「真夜中のカーテンの向こうに」
「いくつもの影が踊るはずだよ」
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