シェア
成田 くうこう (小説、詩、エッセイ)
2018年3月7日 19:33
生活が水のないプールならば僕達はそこに浮かぶ一つの火だそういったあなたが私の口の中にひとすじの唾液を落として寂しそうに微笑んでいるその最中に部屋に浮かぶ半透明の蜘蛛は見えない糸を手繰り寄せながら音もなく上昇していく彼もしくは彼女が願っても永遠に辿り着けない穏やかな春の空を氷でできた雲が儚くも薄く覆ってそこを飛行機が通り抜けたとき機体が氷をはじいてさーっと、音がした