見出し画像

【寄稿】確かに数に追われているのかもしれない/服部円(仕事文脈vol.23)

今、私のX(Twitter)のフォロワー数は5783人、Instagramは6395人。保育園のママ友に垢バレすると驚かれるほどには多いが、インフルエンサーとしては少なく、PR案件は滅多にこない。中途半端な数である。

 それでもたまにXでバズることがある。ひとつは大学の聴講生制度についてのつぶやきだった。テキストのみの投稿ながら、1万RTされ、44000いいねがついた。これは学び直しが注目を集めているタイミングであったことと、聴講生の値段が意外に安く、お得情報だと思われたせいだろう。ちなみに「大学院」と検索すると出てくるのか、未だに「いいね」されることもある。

 もうひとつは、大阪市下水道科学館でみつけた箔押しスタンプに興奮した! というつぶやき。こちらは16000いいねがついた。確かにコレは映えるかも? と思って何度か写真を撮り直したのは認めよう。しかし、ここまでバズるとは正直思っていなかった。バズる時は大抵、聴講生のつぶやきのように、起点となるフォロワー数の多い著名人にRTされることが多い。しかしフォロワーの多い特定の誰かが起点になったのでもなく、広がり方が不思議だった。

 さらに両者とも、不快なリプライはほぼなかった。そして、フォロワーも増えなかった。まるで一瞬で消える花火のようにバズの波は去ったのである。別にSNSを仕事にしているわけではないので、つぶやいたネタがバズろうが関係ない。むしろどちらかというとバズりたくない、という気持ちがある。だってバズっても何ひとつ良いことないし。

 それよりも、私がいま欲しいのは論文の数である。ネコとヒトとの関係に興味をもち、フリーランスの編集者から社会人大学院生としてネコとヒトとの研究をはじめて5年、博士後期過程に進学して3年が経った。研究者としての目的である博士号を取得するためには3報ないといけないのだが、まだ1報しか出せていない。目下、2報目を書いている最中だ。さらに欲しいのは、出版した論文の被引用回数である。

ここから先は

1,514字

¥ 100

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!