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なぜいま読書会?みんなで読むと景色が変わる 01 双子のライオン堂(仕事文脈vol.21)

読書会にはさまざまなスタイルがあるが、共通点は一人ではなく、二人以上で読むことだ。参加した人からは「複数人で集まって読むから面白い」という声をよく聞く。いわく、一人では挫折してしまうような難しい本にも挑戦でき、感想を話し合うことで多面的に理解できるのだそう。ならば、読書会はすごく勉強に向いているのではないか。そんな仮説をもとに、読書会を運営する人たちに話を聞いてみた。(編集部)

「読めてない私大丈夫」みんなで難解な本を読み進める/双子のライオン堂 竹田信弥さん 田中佳祐さん

 東京・赤坂駅から徒歩5本の書店「双子のライオン堂」。読書会は2013年ごろからはじめ、現在までに500回以上行っている。読書会を主に運営するのは、店主の竹田信弥さんとライターの田中佳祐さんの二人だ。書店での読書会を提案したのは田中さん。「もともとTwitterで知り合った人と読書会を開いたり、猫町倶楽部のような大きな読書会に行ったりしていました。あの頃は人文系の難しい本が出ると研究者の方も交えた読書会のような勉強会のような会が自然と開かれることも多かったですね。それで『読書会が流行っているみたいだよ。集客にもつながるし、お店でもやってみたら?』と」。

 ただ、竹田さんは当初は書店での読書会に抵抗があったという。「なんとなく書店が一冊の本を推すのはよくないと思っていたことが一つ。もう一つが、知らない人と喋るのが嫌だなと……(笑)。お店には人が来てほしいけど、知らない人とって何を話せばいいかわからないじゃないですか。だけどいざやってみると、読書会なら本を中心にして会話のラリーが続くし、自分が話さなくても他の人の感想を聞くだけで楽しかったんです」(竹田さん)

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