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「IT、AI、IoT、えっ?」と思って読んでみた本・拡大版 辻本力×宮川真紀

ITもAIも強いわけじゃないのに、なぜか特集にした今回の仕事文脈。なぜにこのテーマになったのか、つくる過程にどんな本を読んだか。編集人ふたりで話してみました。誌面に掲載できなかった部分も今回収録しています。(仕事文脈vol.14/2019年5月)

■信用情報をAIが決めつけちゃっていいのか

宮川 特集考えるとき、なんとなく頭にあったのは『未来の年表』みたいな悲観的な将来予測とか、AIでこんな仕事がなくなるみたいな記事とかですね。

辻本 2016年くらいからAI本バブルが続いている感じがします。書店にコーナーもできて、点数もすごい。でもAIに悲観的な意見の本は減った気がします。

宮川 『仕事文脈』読んでる人が、この特集で何が読みたいかというと、生活レベルでどういうことが起こり得るかってっていうことですかね。『AIと憲法』*1は、特集を立てる前に読んだんですよ。これはみたことない組み合わせだなと思って。大統領選挙の時に、投票行動を誘導するような情報をシンクタンクみたいなところが流したと。それがAIとかビッグデータが関わってるんですよね。

辻本 それが憲法的にOKかどうかと?

宮川 そう、そこには議論が必要だという視点で法学の研究者が書いている。今回執筆してくれた水谷瑛嗣郎さんもこの本で「AIと民主主義」という寄稿をしていて依頼しました(vol.14「AIを通して考える「政治家の仕事」のミライ」)。AIはブラックボックスだから、例えば政策立案したときに、それがどういう過程でできたのかわからない。

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