見出し画像

こいのぼりの好きなもの探り12 漫画「チェンソーマン」

 最近、暑すぎます。暑さと日差しにめっぽう弱いので、すぐにコンビニに逃げ込んでしまいます。夏のコンビニは天国ですね。そしてオリンピックがはじまりました。感染状況をうわべでしか考慮せず、アスリートやアーティストを盾に図太く強行突破する政府はとても気持ちがわるかったです。「はじまったら盛り上がるだろう」という考えなんでしょうけど、国民の思考停止を願っちゃう政府なんてその内もっとふざけたことを真顔でやってのける気がします。コロナ対策からオリンピック開催までの一連の流れをみて、海外で暮らせるように今から備えよう、と決意を固めました。

 今日は漫画「チェンソーマン」について。藤本タツキ先生の作品です。前々から親友に「藤本タツキを読め、読まずに死んだらその後悔で怨霊になっちゃうよ、それくらい面白い」と強めに勧められており、ついに先日一気読みしました。とても面白く、興奮が冷めないので、どうしてこんなに刺さったのかを振り返りたいと思います。

 「チェンソーマン」は悪魔が存在する世界が舞台です。そこで主人公の少年デンジが死んだ父親の借金を返すために、唯一の親友である悪魔ポチタと協力してデビルハンターになり、段々と規模の大きいトラブルに巻き込まれていく という話。グロめな描写と共に...脳に焼き付くような印象的な描写も多いです。展開自体も予測不能且つ無慈悲で、そこも面白いポイントなのですが、私がクセになったのはキャラクターから感じる不穏さです。悪魔やデビルハンター故の異常さなのかもしれませんが、どの人物も何かが圧倒的に欠けている、あるいは何かが圧倒的に飛び抜けています。当たり前という範疇を大きくこえた行動を、さも当たり前かのようにします。主人公のデンジさえも、私にとっては善人なのか、悪人なのかわかりません。笑 多分そこが好きです。あの世界では正しさという概念が曖昧で、また「当たり前」に迎合するように行動する人物が少ない。だから今までの体験には置き換えることのできない、ワクワク感と恐怖を感じるのかなと。そういう未知に触れる感覚が面白かったのかもしれません。

 「なんなんだこれは」という好奇心に逆らえず、休むことなく一晩で読み終えました。一度読み始めてしまうとその世界(作品)のこと以外考える余地を与えてくれない、読み進めるしか選択肢がない、という不思議な体験をしました。なるほど、夢中になるってこういう感覚のことか、と感激しています。

 「チェンソーマン」を読んだ直後に同じく藤本タツキ先生が描いた読切、「ルックバック」が公開されました。そちらも、とても面白かった。こういう作品にもっと出会いたいなと思いました。やっぱり最近は考察が捗る作品が多いと感じます。それくらい読者に想像の余地を与えるものが、増えているのかな。

iOS の画像

(写真は内容とは全く関係ありません。笑 コロナ前に行った直島で撮った写真です。何も気にせずに旅行ができる日が、早く戻ってくるといいなあ。)

こいのぼり

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!