見出し画像

フェミニズムの本・3冊

3月8日は「国際女性デー」です。1904年3月8日、アメリカで婦人参政権を求める女性労働者たちのデモに端を発し、その後広まった女性運動の経緯を受けて、1975年の国際婦人年に国連が制定しました。

この日は、女性の自由と権利を謳い、達成してきた成果を認識する日、とされています。女性たちの長い闘いの歴史を引きついできたフェミニズムを確認する日でもある、といえるでしょう。

タバブックスでは日本、韓国のフェミニズム書籍を出しています。若い世代の女性たちが、ジェンダー格差、女性嫌悪、性暴力など現存している性差別に真剣に取り組んでいる本です。ぜひこの時期に読んでいただきたく、ご紹介します。

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。
著 小川たまか

性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo...多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげ続けるライター・小川たまか初の著書。2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。

「不公平を指摘すると『面倒くさいヤツ』認定される。散々ひどい目に遭わされて、絞り出した声を『そんな言い方じゃ、誰も味方にならないよ』と言われる。そんなことが、これまで何度繰り返されてきたのだろう」(本書より)

画像1

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない
著 イ・ミンギョン 訳 すんみ 小山内園子

「あなたには、自分を守る義務がある。自分を守ることは、口をひらき、声を上げることからはじまる-」
2016年にソウル・江南駅付近で起きた女性刺殺事件をきっかけに、韓国社会で可視化され始めた女性嫌悪、性差別の問題。著者は事件を風化させないために9日間で書き上げ、SNSで仲間を集い、出版社を立ち上げて本書を発行しました。なぜ男性のことばにモヤモヤするのか、差別がなくならないのか。女性たちが実際の体験から問題をていねいに読み解き対策を考えた実践的なフェミニズム書です。

「どうして自分はフェミニズムという用語に拒否感があるのか」を考えるべきではないでしょうか。もしかして、「自分の意見が通りそうにないから」「自分の発言にだれも耳を貸してくれなさそうだから」「自分の居場所はなさそうだから」ではありませんか? そうです、まさに女性たちが、毎日そんな思いで暮らしてきました。フェミニズムは、これまで疎外されていた女性たちの声に説得力を与える運動なのです」(本書より)

画像2


韓国フェミニズムと私たち
編 タバブックス

フェミニズム・リブート、江南駅女性殺人事件を契機に若い女性たちがフェミニズムに覚醒し、声を上げ、社会に変化をもたらしている韓国。現在起きているフェミニズムムーブメントとその背景を検証、女性作家、アクティビスト等の声を伝え、韓日女性たちの連帯をすすめるための1冊です。

1.韓国のヤングヤングフェミニストたち 
脱コルセット 到来した想像  イ・ミンギョン
フェミニストのコミュニティ設計  シン・インア(FDSC)
interview ボムアラム(出版社)/ハン・セッピョル(DSO=デジタル・性暴力・アウト研究チーム長)

2.彼女たちが書くことば
私たちが石膏人形に生まれたとしても  チョン・セラン
女友達にコクられた  イ・ラン
韓国フェミニズム文学に描かれる共同体  すんみ
interview ユン・イヒョン(作家)/キム・ジナ(コミュニケーション・ィレクター)

3.ソウルで知ったこと 女性たちの行動 
性平等図書館「ヨギ」/記憶ゾーン/ウルフソーシャルクラブ/カフェDoing/マリーモンドラウンジ/戦争と女性の人権博物館
水曜デモは平和だ  リュ・ジヒョン

4.連帯、そして日本の私たち
ガールズ・ビー・アンビシャス  小山内園子
フェミニストであることが一番収まりがいい 小川たまか
日本の読者がK文学に見つけたもの 倉本さおり

コラム:江南駅付近女性殺人事件/フェミニズム・リブート/韓国 あたらしいフェミニズムの本/韓国 女性と社会の歴史

画像3

なお、タバブックスでは今後もフェミニズム関連書の刊行を予定しています。どうぞお楽しみに!

〈参考〉
国際女性の日(3月8日)制定に至る歴史とは
国際女性デーとは?制定までの歴史と日本における取り組みの事例


お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!