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(part1)東アジアの文脈で脱植民地化を考える——Decolonize Futuresインタビュー (仕事文脈vol.24)

(part1〜3に分けてご紹介します)

イスラエルのガザ侵攻が長年にわたり続いてきた入植者植民地主義であると批判を集め、植民地主義について学ぶ重要性を感じていた時、一つのZINEプロジェクトがスタートした。日本/東アジアにおける植民地主義の根深さ・脱植民地化の必要性について議論する『Decolonize Futures —複数形の未来を脱植民地化する』だ。エディターを務めるのは、ともに2001年生まれの酒井功雄さん、saki・soheeさん。2人に話を聞いた。
(取材・文:小沼理)

自分が感じている社会へのやるせなさがどんな構造とつながっているのか考えていました。

——お二人が「脱植民地化」について対話を始めたのが2022年の春ごろとうかがいました。このZINEを作るまでの経緯を教えてください。

酒井功雄(Isao) 学生たちの気候変動に対するストライキ「Fridays For Future Tokyo」で活動する中で、植民地主義が気候変動にも大きな影響を与えていることを知りました。

 現在はアメリカの大学で学んでいるのですが、様々な領域のアクティビストが脱植民地化の重要性を叫んでいます。でも、日本語で発信している人はあまりいなかったし、自分もアメリカ大陸におけるヨーロッパ諸国による植民地主義とその被害を受けたアフリカ系の人々や先住民の人たちの文脈で学ぶことが多く、アジアや日本の文脈でどう話したらいいのかがわからない状態でした。その時に、たまたまインスタで共通の友人を介してフォローしたsoheeが、ストーリーで「東アジアの脱植民地化について今すごく考えてる」と投稿していたんです。「話せる人がいた」と思って、DMを送ったのが最初のきっかけでした。


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