身長157cmの文系女子が宇宙飛行士を目指す話②
そのリリースが出たのは2020年の11月だった。
10数年ぶりの宇宙飛行士候補生の募集。
ついにこの日が来たんだって、ワクワクと、ドキドキと、少しの不安があった。
ちょうど、自分の人生の中でも、とても悲しい出来事があったばかりで傷心だった私は、飲みに連れ出してくれた友人にこういった。
「もうさ、宇宙飛行士でも受けてみようかなって思って。」
その時の友人は、驚いたような、でも納得したような、ワクワクした顔をしていたと思う。
募集が始まるのは約1年後、22年の春からだった。
この1年間、できることをしようと思った私はまず手始めにTOEICを受けることにした。
大学を卒業してからというもの、仕事に関する勉強をほとんどしてこなかった私。4、5年前とは比べ物にならないほど沢山の参考書に少し戸惑ったが、模擬試験ができる参考書と単語帳を買った。
久々に目にする英語の羅列。4択制のリスニング問題。何これ、結構面白いじゃん。
しかし、問題が一つ。
TOEICの試験の抽選に外れまくったということ。
宇宙飛行士選抜のリリースがあったのは11月なのに、実際受けられたのは翌年の2月だった。笑
実際受けてみると、意外にも履歴書に書いても恥ずかしくないとされるボーダーはこえていた。
それに気をよくした私は、その後次の一手を全く考えずに半年以上を過ごしてしまうのだが、それはまた次の話。