Super Beaver 「都会のラクダSP」@横浜アリーナ【アラ還の徒然ライブ記】
10月19日(水)の13:30からライブグッズ販売開始。当日は午後半休を取って夕方からのライブに備えていた私は、会社から横浜アリーナへ直行した。13時を少し回ったくらいに現地に到着したのだが、既に結構な行列ができていた。あぁ、やっぱり客層がビーバーだ。私のようなスーツを着た白髪交じりの頭が見当たらない。同年代のご婦人も見当たらない。むむ。
グッズを無事入手し一旦家に帰る。買ったビーバーロンTに着替え、迷った挙句、頭をワックスで金髪に染める。白髪が多いから意外ときれいに金色が出る。ちなみにシャンプーで落ちるもの。社会人のマナーだ。いや、そもそもまともな社会人は金髪に染めない。
前の記事にも書いたが、Super Beaverとの出会いは、テレビ東京の深夜ドラマ『その「おこだわり」、俺にもくれよ』(今をときめく松岡茉優と伊藤沙莉のW主演)の主題歌である「人として」。当時、会社内の小さな組織のトップだった私は、部下とのコミュニケーションの一環として、毎週月曜日に「Monday Morning Blog」MMBと称して、私が日々感じたこと思ったこと、ごく偶に仕事のことなどを、ブログのような形で部下にメールを発信していた。ある月曜日、どうしてもネタが出てこない日があり、そんなときに、「人として」の歌詞を紹介したのだった。
格好悪い人にはなりたくないじゃないか
格好よく生きていたいじゃないか
自分に刺さったストレートな歌詞を若い部下にも刺さってほしいと思ったのだろうな。どの程度刺さったのかはわからない。この手の上司からのメールには普通反応しないものだ。
そんな出会いからしばらく経って、今年2022年のロッキンで、初めて生のSuper Beaverと出会った。渋谷龍太の生ボーカルに衝撃を受けた。そして今回、横浜アリーナ開催ということもあって初の単独ライブ参戦を決めたアラ還なのであった。
会場が暗転する。会場から拍手があがる、と同時に皆立ち始めた。ああ、やっぱりそうなるよね。ビーバーのライブだものね。
1曲目は「東京流星群」
正直「にわか」なので、今回のセトリも全ての曲を知っていたわけではなかった。曲は知っていてもタイトルがわからない曲もある。タイトルまでわかっていても「あれだよ、あれ」ということが多い年頃でもある。
2曲目、知ってる。
何があっても 何がなくても あなたがいないと
タイトルは「スペシャル」
私的には、渋谷龍太のMCがビーバーのライブの魅力の一つだと思っている。舌を出しながら観客を挑発するようなポーズを見せながらも、「お世話になります」とか「よろしくお願いいたします」などと言う。
バンドメンバーの4人だけで音楽やってもつまらない、楽しくない。あなたがいないと。
こんなことを言って観客を喜ばせる一方で、
こっちも本気でぶつかるんで、そっちも本気でぶつかってこい!
というロックスターの顔も見せる。
ビーバーの曲の歌詞はほとんどをギターの柳沢亮太が書いているが、渋谷龍太にも文才があることはご存じの方も多いと思う。ダ・ヴィンチで月一のエッセイを連載している。僭越ながら私の感性に近く、とても親しみを感じる。
なので、MCで彼の紡ぐ言葉は、見た目と裏腹に、とても丁寧で優しい。私の記憶力が鳥なので文字起こしは叶わないが、こちらも結構心に刺さるので、心が少し弱ったとき、ビーバーのライブはおすすめだ。
口癖のように 謙遜してばかりじゃ 心が瘦せちゃうぜ 元気してるかい
正々堂々!と歌う「突破口」、アニメ「僕のヒーローアカデミア」の主題歌となった新曲の「ひたむき」、映画「東京リベンジャーズ」の主題歌「名前を呼ぶよ」と続く。タイアップが増えてきた。渋谷龍太も「関ジャム」で結構顔が売れてきた。いよいよな感じが出てきたと思いませんか。
声も出ないほど悲しかったこと 無理やり忘れなくていいんだよ
「未来の話をしよう」から「人として」「your song」とバラードで聴かせる。
「人として」の前には必ずMCが入り(少なくとも私が経験したライブでは)、ビーバーにとってのこの曲の位置付けが語られる。とても大切にしている曲だと、とても伝わる。共感しかない。
会場全体による手拍子からの疾走感、「美しい日々」では
もしかして幸せは 訪れるものでも 待っているものでもなくて 今ここにあることに 気がつくものなんじゃないかな
と歌う。幸せは気付くものって、いい言葉だ。
愛してる 愛してる ぎこちなくてもいいさ とにかく届けばいい 照れながらでもいいさ 顔が綻ぶなら
と歌う「アイラブユー」は、ビーバーから私たちに向けてのラブソング。あなたに、あなたに、と歌う愛は確かに届いた。
最初のMCで渋谷は「私たち”が”Super Beaverです。」と挨拶したが、最後のMCでは「私たち”で”Super Beaverです。」と締めた(微妙に違うかもしれん)。観客との一体感を作ろうとはしていない、結果として一体感が生まれればいい、それが一番だと言っていた渋谷が、私たち「で」と言ったということは、彼なりに手ごたえがあったということだろうと思うし、私たち観客もそれを十分に感じることができたライブだったと思う。
久しぶりに2時間立ちっぱなし、まぁ覚悟はしていた。両腕は酷使したが、幸いなことに腕が上がらないということもない。白髪のおっさんが、まだ若者に混じってライブに行ってもいいですか?
最後に唐突だが、なぜだか、途中から、渋谷龍太が貴島明日香に見えて仕方がなかった。なんだろう。同意してくれる人いますか。
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