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灼熱のライジングサン2023【後編】【ほぼ還の徒然ライブ記】

昨晩、札幌発すすきの行きの最終地下鉄にも無事間に合い、しっかり休息が取れたほぼ還は、2日目も元気に朝一のバスで会場へ向かう。

今日まずやるべきことは、レジャーサイトの場所取り。アーティストからは少し離れてしまうが座って観られるし、何が良いって、拠点が確保できることだ。疲れたらここに戻ってこれば良いし、荷物もここに置いていける。もちろん貴重品を置いてはいけないが、テントを張ってキャンプする前提のフェスだからこその、参加者全員の暗黙の了解だ。

1時間半並んで確保できた場所から観たSUN STAGE

2日目のメインイベントは夜。
昼間はちょっとフラフラしてみよう。

場所取り後は少し遅い朝御飯。
昨日目をつけていた奥芝商店のカレーパンと、去年も食べた布袋のザンギ、それとやっぱりビール🍺を買おう。
布袋のザンギに向かうと既に結構な行列が。と思ったらその奥のカキ氷の列だった。今日も暑い🥵。

レジャーサイトに戻り、今日のこの為にAmazonで買ったチェアに座って、まだ準備中のステージを観ながら飲む朝ビール。ああ、沁みる。

今日のSUN STAGEのオープニングはケツメイシ。
ビールがいい具合に回って気持ちがいい。最初からスタンドする。

ヒップホップなのだが、ゴリゴリのそれでは無く、ポップでメロウなメロディが、いい意味で素人受けする曲が続く。
MCもさすがベテラン、おっさんに刺さる。
「夏の思い出」とか「友よ」とか。
ああ懐かしい。

さぁて次は誰を聴きに行こうか。

Hygge StageのTeleってどんなだろう。
ちょっと聴きに行った。
聴きやすい今どきのポップスだ。もう少しクセがあってもいいのかな。
それより、若者の中に明らかなおっさん一人紛れ込んで、ステージからも丸分かりで、Teleくん、やりにくかったんじゃないかな。ごめんなさい。自分ではノっていたつもりなんだ。

次はRED STAR FIELDに移動して、iri→スキマスイッチ、の予定だったが、ふと思い立ち、BABY METALからSUN STAGEに参戦することにした。
今日の夜のSUN STAGEは、
BABY METAL→Misia→SUPER BEAVER→Vaundyと続く。
SUPER BEAVERとVaundyは前の方で観たかったことから、BABY METALから参戦し、ジリジリと前へ詰めていく作戦を取ることに決めたのだ。

Hygge StageからSUN STAGEへ移動すると、ステージではUnison Square Gardenが「シュガーソングとビターステップ」をやっている。MVの女の子とおんなじようなステップで歩いてみる。

次がBABY METALだ。
その前にちょっと早めの晩御飯。
有頂天のローストビーフ混ぜそば。ビールは無しで。トイレが近くなるからね。

その後なんやかんやとあって(詳細は【前編】を参照ください)、最前列の位置でMisiaを迎えることとなった。

会場に打上花火が上がり、改めてお祭り気分を盛り上げる。
本格的な枝垂れ柳が夜空を彩ったら、いよいよMisiaの登場だ。

Misiaは格が違った。最初からわかっていたことだけれども。
「つつみ込むように・・・」の生ロングトーンには、本当はこの後のBEAVERやVaundyが目当ての若者達も、私も、間違いなく惹き込まれていた。
「あなたにスマイル:)」、初めて聴いた曲だったけれども、Misiaとシンガロングできるなんて、皆そんな感動につつみ込まれていたに違いない。

それにしても、矢野顕子とのコラボは必要だったのかなぁ。大物には違いないが、今矢野顕子といえば「コニャラ」しか思い浮かばない。

ラストの男闘呼組とのコラボは、まぁ宣伝もあるから仕方がないとは思うけれども。
もっとMisiaの歌が、それこそeverythingとか、聴きたかったというのが正直なところだ。

次はいよいよSUPER BEAVER。

去年のロッキンで生渋谷龍太を体験してから完全にハマって、結構な数のBEAVERのライブに足を運んでいるが、今回は少し趣が違う。

ご存じの通り、ぶーやん、こと渋谷龍太の声帯の炎症のため、SUPER BEAVERは8月3日のSENDAI GIGSからのステージをキャンセルした。8月6日のロッキンも、だ。
そして、このライジングサンが復帰公演となったのだ。

果たして彼らは何を魅せてくれるのだろうか、という期待が膨らまずにはいられない。
だから、やっぱり最前列で観たかった。

いつものようにバンドメンバー達から遅れてステージに現れた「ぶーやん」は、なんか、とても嬉しそうな顔をしていたように見えた。

ロックスターは死んだ、でも僕は生きている

「27」から

いつだって今日が人生のピーク 超えて行け

「ひたむき」と続ける。

お世話になります、といういつものMCも、今日はなんだか気合の入り方が違う。いつも以上に饒舌だ。

生きてたらいろんなイレギュラーはあるとは思うけれども、やるって自分で決めたことに穴開けるって、ほんとに恥ずかしいこと、悔しいこと。
だからってわけじゃないんだけど、どんな風にしてこれから返してゆくのかって、バンドマンとしてどれだけ「あなた」と一対一出来るかにかかってるかって、改めて思った。
だから今日、なんかちょっと違かったねとか全く言われたくない。
だから、俺たち19年目にして、SUPER BEAVER史上過去最高の夜を、今日作る。

ちょっともう一言だけ言ってもいいかな。もう一言だけ言ってもいいかな。

からの「あ・い・し・て・る~」って、この時点で過去最高かよ!
「俺たち過去最高のアイラブユー」

「グラデーション」から「儚くない」と新曲を続ける。
「儚くない」は「人として」にとって代われるか。
でもやっぱり「人として」も聴きたかったな。

ここ、ライブハウスにしちゃっていいですか?
「東京流星群」でのシンガロング。
お手を拝借!
「青い春」での変則手拍子。
報われろ、報われろ、それぞれに頑張って!
「ロマン」の、なんてストレートなメッセージ。

そして最後は「東京」
なんて贅沢な人生だ と歌う。

わずか1時間のステージ。でもなんて贅沢な時間だったろう。
ぶーやんが「あなた」に向けて歌う、その歌は確実に一対一で私の心に届いた。
最前列で拳を振り上げて歌う、ほぼ還の姿は彼らに届いただろうか。

SUPER BEAVERのステージが終わると、日付は13日の日曜日に変わっていた。今年のRISING SUNもあと少しだ。

続いてVaundy。

去年はコロナの影響で出演キャンセルとなったため、今回が初RISINGとなる。そういえばケツメイシも、どうせみんなVaundy目当てなんだろ?なんて言ってたっけ。今回の目玉には違いない。

夜中過ぎに降り出した小雨を吹き飛ばすように、大量のスモークの中、Vaundyが現れる。
両隣の女の子たちがキャーキャー言っている。
彼はぽっちゃり系男子の救世主的な言い方をされることがあるが、勘違いしてはいけない。
Vaundyだからこそ、のキャーだ。

時代の寵児とは正に彼のことを言うのだろう。
全ての曲がカッコいい。
ライブでは初めて聴く「そんなbitterな話」も、彼の卓越した歌唱力を改めて認識させられる「しわあわせ」も。

ライブも中盤に差し掛かったころ、曲のイントロが流れて、周りの観客が歓声を上げる。

彼のオリジナル曲ではないとは思ったが、最初、何が起こったのかよくわからなかった。
そう、藤井風の「何なんw」のカバーだ。

去年、幸いにも私はその場を体験することが出来たのだが、彼の代打で急遽RISINGに出演した藤井風は、踊り子~恋風邪に乗せて~napori~東京フラッシュ、とVaundyのナンバーをピアノで弾き語ってみせ、それは伝説のステージと呼ばれるようになった。

今度は、その恩返しとばかりに、Vaundyが藤井風のナンバーをRISINGのステージで披露して見せたのだった。
去年のRISINGの後、Vaundyはいつか「何なんw」をカバーしてお返ししたいと言っていたそうだ。
普通になんていい話だ。

「もう俺は疲れたぜ」といいつつ、ここからの「CHAINSAW BLOOD」。「まだまだいけるよな」はこっちのセリフだ。

「泣き地蔵」「花占い」からラストの「怪獣の花唄」まで、一気に駆け抜けた。

ステージの終わりを惜しむかのように、止んでいた雨がまた降りだした。

これで終わりかと思いかけた瞬間、
「あ、忘れてた。映像取るんだった」
まさかの新曲、そしてそのMV撮影。

そういえばスタッフがドローンを用意していたな。
適度な雨がいい感じの効果を出してくれそうだ。
おっちゃん映ってたらどうしよう笑

時刻は午前2時40分。
ああ、ここまで約9時間、トイレ休憩なしの立ちっぱなし。
途中、大波にも揉まれて、よく頑張ったと自分を褒めたい。

この後の「マカえん」は若い人に場所を譲ることにして、ほぼ還は拠点に戻ることにする。

この時間になると売店の食べ物もほぼ終了していて、仕方がないのでメンチカツを食す。だがこれは旨かった。

マカロニえんぴつは正直、Amazon MusicのTokyo Crossingで流れてこれば聴く程度。特別にファンではないが、嫌いでもない。
SUN RISEまで、拠点でチェアに座って聴こうじゃないか。

今年は2日間ともめちゃくちゃ暑かったし、途中で寝ることはなかった。完全オールなんて久しぶりだ。
去年はBEGINを聴いてちょっと寂しくなったけど、やっぱりソロが自由でいいや。

なんて考えながら。

ふと見上げると空が少し白んできている。

東の空は、少し赤く、朝焼けに染まりつつある。

ああ、今年も無事に朝を迎えることが出来た。

マカえんの途中だが、少し早めに戻ろう。
帰りの地下鉄麻生駅行シャトルバスには既に長い行列ができていた。
みんな疲れてはいるものの、いい顔をしていた。

では、また来年!


オール明けの朝飯はやっぱりこれに限る



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