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奢らないのに料理は作らせるの?


元カレAは付き合う前の初めてのデートから奢ってくれませんでした。

私は割り勘が何となく嫌いです。
それは絶対奢ってほしいという訳ではなく、私が奢ることも全然あります。割り勘が嫌いなのはおそらく細かいお金のやり取りが嫌いだからです。


奢り奢られ論争が巻き起こりいろいろな意見が飛び交いましたが、女性たるもの誰しも1度や2度男性に奢られた経験があるはずです。

初デートから付き合うまで毎回奢ってくれた人だっているし、奢らないにしても多く出してくれるとか、そういう人の方が割合的には多いです。

そうなるとどうしても割り勘する男性はそこでマイナスに感じてしまうのは至って自然なことだと私は思います。それだけで「この人ないな」とはならないにしても、心のどこかで「あ、この人は奢ってくれないんだ」と思ってしまうのは仕方がないことです。


元カレAは年下の彼でした。年下でしたが大手企業に勤めていて福利厚生もよく、零細企業で働く私なんかよりも随分と高給取りでした。それでも、付き合ってからも奢ってくれませんでした。むしろ私の方が奢っていました。

カップルという関係性では奢るという行為は感謝の気持ちだと思っています。「車出してくれてるしここは出させて」とか言って私はよく奢っていました。元カレAは「いいの?ありがと〜」と素直に奢られていました。

後から知った話ですが、通勤で車を使うのでガソリン代も会社から結構な額を支給されていたようです。モヤっとしました。

回転寿司を食べに行った時、自動会計で1,000円渡すと、「そんなに食べた?」と言ってきました。食べた皿の数、数えて割り勘するんかいと呆れました。中高生かよ。

セルフ式うどんのお店に行った時、先に進んでいた元カレAがレジで「お会計はご一緒でよろしいですか?」と聞かれていて、私は聞こえないフリをしてどう答えるのか聞いていました。「別々で!」500円ちょっとのうどんも奢ってくれないのかとかなり幻滅しました。(私が逆だったら奢っていたと思います。)

なぜそこまで割り勘にこだわるのかよくわかりませんでした。

付き合う前ならまだしも、私たちは恋人関係で、2人でひとつみたいなところがあるのになー、と。


そんな元カレAですが、付き合って1ヶ月も経たない頃、笑顔で「たこまるちゃんの手料理が食べたい!」と言ってきました。

私は料理は好きです。一人暮らしも長いのでそれなりに料理もできるし、いろんな味付けを試して新しいものを作るのが好きです。でも、人に作るのは苦手でした。

正直めんどくさいと思いました。元カレAに対して好きな気持ちもあまりなかったので、余計に腹が立ちました。

この人は男らしく奢ってくれたりもしないのに、私には女らしさを求めて手料理が食べたいとか図々しいことを言ってくるのか、と。


手料理って食べたいって言われて作るものじゃなくないですか?この人に作ってあげたいなーと思って初めて成立するものじゃないですか?奢るのと同じです。奢ってと言われて奢るのではなく、今日は楽しい時間をもらったから、わかりやすいお金というもので感謝をしたいという気持ちで奢るものじゃないんですか?

手料理が食べたいと言われちゃんと作りました。それ以降私の家に泊まりに来るときは、私が何かしら作っていました。

元カレAはとても優しくいい人だったので、料理をしている間も一緒に作ってくれたりしました。でも何となく、モヤモヤしました。

細かすぎることかもしれませんが、私の家で料理する時、食費は私もちでした。逆に元カレAの家に泊まりに行く時は外食でした。割り勘でした。食費を取られて労働力も搾取されているという風にしか思えず、彼のために料理することが苦痛でした。(全然好きじゃないじゃん)


なんで男が奢らないといけないんだと言っている方がいるとしたら、なんで女が手料理振る舞ってやらなきゃいけないんだと言ってやりたい。女だって男性に手料理振る舞われたい。


結局は「好き」や「ありがとう」をどう表現するか、ただそれだけのことなのではないでしょうか。




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