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「爆笑」って言ったやんか…(涙)

なんであれ、タイトルにつく「爆笑」ほど信用度の低いものもない。
(実際に爆笑したって人たちの話なんて聞いたことないし)

とはいえ、それでもニヤリとかフフッとかくらいの笑いを期待していたら
むしろボロボロ泣かされてしまう始末。
(クスリくらいは笑える部分もあったけど)

久しぶりにこんなにストレートに看板に偽りありとは思わなかった。
『裁判官の爆笑お言葉集』


人が人を裁くことの意義と難しさを短い事例でスルスルと読むことができる。
一方で、初めて触れるような情報も興味深く、ボリューム感の割に内容は濃い。
(裁判官の一人称が「裁判所」になったりするところとか)

特に興味深かったのは、裁判官のちょっといい話だけでなく、
問題発言や、児童買春で捕まった裁判官といった重大なやらかしについても触れられている点。

そういう事実にうんざりするからこそ、
真摯に、限界まで誠実にあろうとするその他の裁判官の方々の一言が光る。
こういう人もいるのかと、昨今の司法や政治に対する不信感も多少は薄らごうと言うものだ。
(が、よくみると20年は昔の事例がほとんどで、今はどうなのだろう…と言う気にもならなくもないけれど)

諸々の「その後」が不明なのも少し気になる…
もちろん追えないことも多々あるのだろうけど、せっかくだから令和版を出して、フォローできたらいいのではなかろうか。
(知ったらがっかりするようなことばかりではないと信じたい)

裁判や司法について、
これほど身近に、親しみやすい雰囲気に近づけた内容は
他にはそう無いようにもおもう。
関心のとっかかりとしても、時代を感じさせる読み物としても面白い1冊だ。

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