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善良でたちの悪い人

会社のエライ人が女性活躍推進のお話をしている。

いわく、
女性の様々なライフイベントにも対応できる環境を整え、
多様性がある職場を作っていくことは会社全体にとってプラスである。
そのためにもアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が問題である。
人口の半分は女性なのだから、女性にもっと活躍してもらえたら
企業としてもより成長できる云々…と。

女性はなかなか活躍できない現場がずっと続いていることに対して
なにも言うことがないんだな…
という話はさておき。
(最近入ったエライ人という訳ではないので)


この「人口の半分は女性」という考えが、すでに無意識の偏見なのでは?
と気になって仕方がなかった。

世の中には、本当にいろいろな人がいる。

システム的にその方が扱いやすいから2つに分けているだけで、
自然の造形物であるところの人体は
そんな単純に分かれちゃいないぞというのが、
最近の医学では常識になっているし、
(「スペクトラムな性」というのだそうだ)

男性として生まれた女性や、女性としてうまれた男性のような
トランスジェンダーの人や、
男、女という枠にハマりたくない人だって、
周囲をじっくり見渡せばそれなりにいらっしゃるわけで。


ほんと、我が社のエライ方々は、そういうとこがある。
自分はできてます、やってますという顔をして
普通にボロを出していくスタイル。
善良でたちの悪いタイプ。
(善良だから質が悪い)


結局、
ご本人も受けたという
自分のアンコンシャスバイアス具合を調べるテストだとか、
講義だとかが無駄だとは決して言わないけれど、
用意しました!
受けました!
だけで満足しちゃ全然ダメなのだ。

自分の無意識の偏見に対して自覚的にやっていくためには、
もっと科学とか歴史とか地理とか
基本的なことを地道にどんどんアップデートしていって、
いろんな場所のいろんな人に出会っていくことのほうが
よほど実践的で有効なんじゃなかろうか。

むしろ、そうやって少しずつ発見して、
地道に調整していくしかないとおもう。
なにせ「常識」すら目まぐるしく変わっていく時代なのだから。


…などとおもいつつ、
別にそこまで親切でも素直でもないわたしは
わざわざ指摘したりしないけど。

ただ願わくば、職場でいないことにされてしまった
男性でも女性でもない方々が傷ついていませんようにと
祈るばかりだ。

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