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フリーランスの社会福祉士ってどう?【クライエントの利益の追求について省察してみました】

こんにちは。社会福祉士のタカヒロです。

今回は、フリーランスの社会福祉士について省察したことを書いていきたいと思います。

社会福祉士としてソーシャルワークをされている方の中には、「独立型社会福祉士」というワードを聞いたことがあると思います。「独立」や「フリーランス」に興味がある方にとって、共に考えられる内容となっていますので、良ければ最後まで読んでいただけると幸いです。

まずは、先日こんなツイートをしました。

昨日Clubhouseで話して改めてフリーランスのソーシャルワーカーを目指したくなった。組織に属しているとどうしても組織の都合を優先する場面が出る。フリーランスになったから0にはならないけど、クライエントの利益を最優先に考えたソーシャルワークを実践できる場面は増える。自分に正直に進みたい。

このツイートでさらに深く考えてみたくなったことは下記の通りです。

・組織に属しているとソーシャルワークはできないのか?
・クライエントの利益とは何か?
・フリーランスの社会福祉士の働き方とは?

では、それぞれ紐解いていきます。


組織に属しているとソーシャルワークはできないのか?

僕の社会福祉士としてのキャリアは、約7年前に遡ります。

福祉系の通信大学を卒業と同時に社会福祉士を取得し、ご縁あって全床が回復期のMSWとしてキャリアをスタートしました。そこでは6年間勤め、昨年からこれまたご縁があり、介護老人保健施設に転職しました。

現在の介護老人保健施設では「入退所支援」「人材育成」「企画運営」など、ソーシャルワークにとどまらず幅広く仕事をしています。

社会福祉士として7年間、組織に属して思ったことは「組織の一員として組織の利益を優先しなければならない場面が存在する」ということです。

社会福祉士としては、これを「ジレンマに陥る」と言います。具体的には下記の通りです。

・ベッドを埋めるために入所を提案する
・個室を埋めるために誘導する
・在宅復帰率を上げるために自宅退所を促す
・社会的入所が必要だがトラブルを回避するために入所を断る
・管理者等の都合を優先し入所日を決める

組織に属してソーシャルワークを実践しようとすると、挙げたらキリがないぐらいジレンマが出てきます。それだけ利用者の利益と組織の利益は相反することが多いと言えます。

しかし、「組織に属しているからソーシャルワークができない」と嘆いているだけでは社会福祉士としての仕事は務まりません。反対に、組織の都合ばかり優先することはソーシャルワークでないと考えます。

組織の都合を聞きながらも、いかに利用者の利益を追求できるかが、社会福祉士に求められている仕事なのではないでしょうか。


クライエントの利益とは何か?

では、組織の利益とクライエントの利益とはどう違うのか。ここではクライエントの利益に着目して考えていきます。

僕がクライアントのことを考える際、大事にしていることがあります。

「その人らしさの生活」

これがソーシャルワークの骨格だと捉えています。

病気や障害を抱えていても、できる能力(強み)を最大限発揮し、何らかの役割や達成感を得れるような生き方ができる、そんな生活を支援することが社会福祉士には求められると考えています。

さらに、その生き方をクライエント自身が自分のこととして捉えることができるよう、気づきを与えたり、目標を一緒に考えたりすることも必要です。

クライエントが自ら考えて「その人らしい生活の実現」に向けて歩み出した際は、それがクライエントの利益になり、その利益を最大限尊重した支援をすることが社会福祉士の価値です。

一方で、社会常識的に「命に関わる」とか「誰かを傷つけてしまう恐れがある」というクライエントの意向については修正していかなければなりません。

そのときの対応して、決して正義感を表に出し意気揚々と修正するのではなく、「なぜそのような考えに至ったか」「意向の背景は何か」「修正の助言に対する理解はどの程度か」など、相互に理解していくことが大事です。

「クライエントの利益を追求」

よく言われる言葉ですが、利益を追求したらいいというものではなく、「クライエントにとっての生活とは何か」という視点で共に考えていくスタンスが重要だと捉えています。

そして、「私の価値観」と「社会福祉士の価値」とを別々に理解しておく必要があります。どんな意向についてもまずは受け止め、そこから課題や強みなどを紐解いていく。「私の価値観」でクライエントを捉えると感情が入り、冷静なアセスメントができないので注意しなければなりません。

クライエントの利益とは、最初からカタチがあるわけではなく、共に構築していくことから始めるようなものだと思います。

そこで課題になるのが、組織に属していると組織の都合を優先する場面が出るので、純粋にクライエントの利益を追求することが、時間的にも環境的にも難しいことが考えられます。

「その実践はクライエントの利益に反することなんだけど…」と思っても、組織の一員として組織の利益に徹しなければならないことも多いです。

それが続くと、もどかしさや無力感を感じたり、最悪バーンアウトになってしまう。

ソーシャルワークを追求していくには「フリーランスとして働くことも必要なのではないか」という考え方に至った背景でもあります。

それでは、フリーランスの社会福祉士としてどんな働き方があるのか。次の章で考えてみます。


フリーランスの社会福祉士の働き方とは?

僕はフリーランスの経験がないですが、実際にフリーランスとして社会福祉士をされている方からの話を聞いた上で、僕なりにイメージしながら考えてみました。

僕が考えるフリーランスの社会福祉士の働き方は下記の通りです。

・成年後見人
・介護や福祉サービスの経営
・社会福祉士としてのコンサルティング
・講師活動
・直接相談

こんな感じでしょうか。

どの働き方もまだまだ僕の中では漠然として具体性に欠けるものですが、実際にフリーランスとして活動されている方から聞くと、上のような働き方をされています。

組織に属していると、極端に言えば一定レベルのルールを守って働いていると報酬(給与)が発生し、生活はそれなりに安定します。

しかしフリーランスでは、自ら仕事を獲得する必要がありますし、仕事や生活に対して自己責任が大きいことも特徴的です。

フリーランスは自由度が高いですが、同時にほとんどの仕事が自らの責任において取り組むことになるので、自らの力量や限界値を適正に理解し、計画立てて仕事をすることが求められると考えています。

一見ハードルが高い印象ですが、なぜそこまでしてフリーランスの社会福祉士として働くことを考えるのか?省察してみました。

「クライエントの利益の追求」

やはりこのワードに戻るわけです。

組織の中で組織のルールに従って実践するより、組織の外でクライエントや関係機関(組織)へ働きかけを行うほうが、より社会福祉士としての価値・知識・技術を発揮できると捉えています。

大事な思考として「組織が嫌だからフリーランスになる」のではなく、「クライエントの利益を追求したソーシャルワーク実践を行いたいからフリーランスになる」ということを胸に、一歩一歩フリーランスになるための活動をしていきたいと思います。

まだ組織の中で仕事をしていくことになるので、まずは「組織に属しながらもソーシャルワークを実践するためにはどのような取り組みができるか」という考えで実践値を上げていきたいです。

これからもフリーランスの社会福祉士として、僕にとっての働き方を模索していきますので、このnoteという場を借りて発信していこうと思います。

その際はそっと応援して頂けると嬉しいです。

では今回はこの辺で。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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