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組織のOKR設定を共創する理由3つ

4Qの目標設定しながらOKRを再インストールして色々考えたので自分用のメモも兼ねて。

自分が考える「組織のOKRをトップダウンで決めず、なるべく組織で共創の形を取るのが良い理由」は次の3つ。

  1. 完璧な目標設定は誰にもできないが、広く検討された最善の目標設定はどんな組織にも可能だから

  2. 人は自分が参加しない目標設定を自分の目標として認知しにくいから

  3. 人は自分のロールが最重要であるという認知バイアスを持ちやすいから

1.完璧な目標設定は誰にもできないが、広く検討された最善の目標設定はどんな組織にも可能

めちゃくちゃ上流の企業ミッションレベルなんかの目標設定であれば創業者や起業家の想い、解決したい社会課題の内容などが重要だけど、ここで言う目標設定はもう少し下流の具体的な現場が存在する組織の目標設定について。

その組織のトップは例えばこんな人たち

  • デザイナー出身。プロダクトマネージャを経て事業責任者

  • セールス出身。営業部部長を経て事業責任者

  • エンジニア出身。VPoEを経て事業責任者

事業の成功のために重要な要素は、どのルートを通って事業責任者になっても必ず欠ける。
なので完璧な目標設定を1人でやれる組織のトップなどいない。
目線は自分の経験してきたことに偏る。
エンジニアやデザイナー系統であればプロダクト系の売上などの奥にあるKPIに寄りやすいし、セールスやマーケター系統であれば売上など直接的なKPIに寄りやすい。
広く検討した上で戦況に応じて偏りをつくるのは選択的な戦略だが、情報収集や検討の不足でどこかに偏りやすいのは傲慢や怠慢の結果の事故である。

2.人は自分が参加しない目標設定を自分の目標として認知しにくい

やれと言われたことは例え元々やろうと思ってた事だとしてもやりたくなくなるのが人間。
さらにOKRは選択と集中という価値観。
自分が決定プロセスに参加しなかった目標に貢献せよ集中せよと言われる。他にビジネス上重要な事項や自分的に取り組みたい事が頭に浮かんでいたとしてもだ。
なんと微妙なことか。
こんなことでは目標設定の精度も上がらず、メンバーの士気は下がる一方だろう。

3.人は自分のロールが最重要であるという認知バイアスを持ちやすい

CMOはマーケティング力で組織を引っ張るぜと思ってるしCDOはデザイン力で、CTOは技術力で、と思ってるもんだと思う。
それはそれで良いというかそういう風に願いを持てる人がそこの責任者張って健全な切磋琢磨があり全方位的に引き上がって全体でエクセレントになっていくみたいな形が理想と思う。

ただ事業組織における目標設定の時にこの想いを出されては困るしそうなった瞬間ケイパビリティがどうとか関係なくただのエゴになる。先述したように1人とか少数で考えてしまうとこういう人間の性質も手伝って偏りやすいんだと思う。

経営者が降りてきて事業責任者を兼任するケースでも「経営」と言うロールに偏って自分が株主に約束している売上や利益の数値目標に寄った目標設定をそのまま事業組織にも課してしまってなんかうまくいかんみたいな事もよくありそう。

まとめ

会社組織の経営で肝心なのは株主に約束した事業計画を達成するためにどんな目標をどんなプロセスでつくりあげるか、そこのクリエイティビティでいかに組織のポテンシャルを隅から隅まで最大限引き出して最大成果を上げることができるか、っていうことなのかもしれない。

つまり対外的に株主や親組織に対して約束した売上目標とか利益目標を担うのは確かに自分なのだけれど、それを達成するため組織に与える目標とその決定プロセスをどう踏むかは、自分でコントロール可能な戦略であるということ。
それをせずに自分の持ってる目標をそのまま投げてるようでは決裁者として芸がないってことになるのだろう。

OKRの本、もう一回ちゃんと読んどこ。

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