「Going My Way」

はじめに


THE ALFEEがメリーアンでヒットを出してから、40年。その歴史の中で「このアルバムがWORSTだ」と言える。おすすめ度5点(10点満点)
ファンではあるが、信者ではない、それを心に秘めながら書きたい。

基本情報


「GLINT BEAT」から約2年ぶりのアルバム。結成30周年である。「あの感じ」という話が出た初めてのアルバムである。しかし、このときのあの感じはイミが違った。
この時のあの感じ:JOURNEY、ELOなどの70年代後半~80年代の産業ロック期
三位一体~:60年代のGSサウンドなど
このように分かれる、このアルバムはそのためホーンセクションがかなり使われている。
そして悪の根源CCCD(Copy Control CD)である。前のベスト盤がCDExtra仕様だったのに・・・東芝め。

先に総評を述べておくと
①サウンドディレクションが失敗気味
②曲順が適当すぎ(前半新曲、後半既存曲のように)
③曲自体が微妙なものが多い、後高見沢Vocal

このアルバムが後引いたせいか次作「ONE-Venus of Rock-」はオリコン10位以内を逃す。まあ、あのアルバムも厳しいアルバムだが。

全曲適当紹介

1「I Love You」
歌詞の日本語にはこだわって書いたらしい。豪華なホーンセクションだが音割れする。CCCDは音質悪いからな。
高見沢Vocal曲では今回このアルバムのベストです。これ。
盛り上がる曲ではあるんですけど、最後がくどい・・・この時代の特徴ですね。

2「希望の詩」
希望シリーズ(そんなのない) 凄くシンプルにロックしているという感じ。「大人はわかってくれない」という歌詞が出てきて少しびっくりした。まあ、ロックはいつの時代も若者のもの、ということだろうか。
桜井Vocal、なんか・・・フックが足りないというか。シンプル過ぎてTHE ALFEEぽくない感じ。坂崎アコギは素晴らしい。

3「Destruction」
グランジ!?オルタナティブ!?トレンドに寄るTHE ALFEE、そしてそれを担うは坂崎幸之助!!
結構、新しいことやるからね・・・「Crush!」とかね。
破壊、全てを壊したいという衝動を抑えめの渇いた声で歌う・・・これが合っている。このアルバムの坂崎Vocalはレベルが高いよー!

4「戦場のギタリスト」
凡曲、それにつきる。とにかくすべてがくどいのだ。
高見沢・坂崎Vocalという珍しい構成、全てツインで行くし。
まあ、「戦場のピアニスト」があったしイラク戦争があってのスタンスがこれになったはわかるけど・・・。買った当時の飛ばし曲。
このアルバムの高見沢Vocalははずれが多すぎる。

5「Another Way」
このアルバムというか坂崎Vocalのベストランキングを作ったら、間違いなく上位に来る名曲というか、このアルバムの1000円分の価値はこの曲にある名曲。(このアルバムの価値は1500円くらいだと思っている。)
ここまで失敗が多かったサウンドディレクションもここは大成功。高見沢ギターもそこまで自己主張してこない。くどくない。「タンポポの詩」がフォークロック路線だったけど「アルフィー流フォークロック」がこれなのでは・・・?
歌詞も素晴らしい、「坂崎に過去や未来を歌わせたら名曲になる!!」そうだな!!!

6「Going My Way」
大名曲の後にこれだ「ズコー!!!」

某音楽評論家市川氏(あ、言っちゃった)は「吉田拓郎が産業ロックやっちゃった」と言ってましたが、納得した。
色々言われてきて、結成30周年まで来てようやく「自分のやりたいことをやっていく!!」と宣言したのは置いといて、全てがくどい
というか、高見沢Vocalの新曲がとにかくくどい、長い。なぜ6分越え。
この曲7分近いぞ
、ライブで聴いたらそれほど悪くないと思ったけど、CD盤では個人的WORST曲。

7「タンポポの詩」
ここから既存曲サイド、シングル曲。
「結成30年なんで3人でやった、フォークロックを取り入れた」(ちょうど、CM曲でThe Byrdsなんかかかってたね)それ以上でもそれ以下でもない。
実は、アルバム全体の雰囲気が80年代前後の産業ロックっぽいところがあるので、この曲浮いています(60年代だしね)
でも、これが後の「あの感じ」につながる・・・のか?
だから高見沢Vocalはちょっと・・・以上です。

8「TRY」
そういや桜井Vocalの新曲が満足いかない1曲だった。
既存曲が多いのよ、これは「2002年埼玉国体イメージソング」
イントロがジャングルか!?と思わせておいていつものアルフィー、安心安全印。最後のサビで転調もあるよ!
結果はいつものアルフィー。

9「Candle Light」
ついに完成したクリスマスソング!!(何年かかった!!!)
桜井Vocalでしっとり歌い上げる、その後ろで井上鑑氏アレンジのストリングスが盛り上げる・・・。
このアルバムの400円くらいの価値はこの曲だと思っている・・・。(残り100円だな?)
聖夜の盛り上がりとは違って、大人なムードもいいですね、それにはやはり桜井Vocalなのである。

10「Chaosの世界」
「太陽は沈まない」のc/wがここで登場だ!桜井Vocal3曲連続!!(その配置どうにかならんかったのか)
ツェッペリンかな・・・?いや違うな・・・と思っていたら某音楽評論家市川氏が「ツェッペリンやろうとしてペイジ&プラントになっちゃった」と言っていて、聞いて見て納得した。
愛を歌うのが普遍的なテーマだし、この世界で信じられるものは愛・・・いつものアルフィーだ。

11「平和について」
提供した曲(今回は詞)はすぐに歌いたくなる高見沢君である。
2002年に期間限定再結成したフォークルの曲のカバー。
ストリングスが豪華に入る、子供のコーラスがないかわりの3声コーラス、少々繰り返し入れて長くなった、というところなどがあるが元曲の良さは消えていない。加藤さんの曲やはりいいねえ。
今回坂崎Vocalの打率良すぎ問題、この打撃成績は凄い。

12「CATCH YOUR EARTH2003」
で最後がこれだよ!!!!!
セルフカバー、元曲は「BEST SELECTIONII」という企画ベスト盤にしか入っていない曲。88年なので「Time Sprit」と同じようにキーボードサウンドや打ち込み部分が多用されている。しかし、それがファンタジックな魅力がある不思議な曲であった。佳曲といえるし、いい曲だ。
歌詞は当時メッセージ路線に行っていたので、結構深い。地球のことを考えるあたり、やはりアルフィーはスケールがでかい。
今回入ったのは、「イラク戦争」という戦争が起こり、それに対するメッセージとして入れたのだろう(「地球が泣いている」とか歌詞にあるし)
でもね、アレンジで原曲の良さが無くなっちゃったしがなって歌うしで。
進化しているアレンジには聴こえないのだよ。
・・・本当にこのアルバムの高見沢Vocal曲はダメダメだな!!!
一人で作品の質下げているまである・・・。

まとめ

このアルバム、「Another Way」「Candle Light」が入っている!!という価値があるんですよ。でも、極端に言えばそれ以上でもそれ以下でもない。
きっとそろそろ出るであろうベスト盤に入れてくれれば、このアルバムを買う優先度は下がるだろうに、と思ってたたり感じてたり。
坂崎ファンなので、坂崎Vocalがすきなのもある。でもね、東芝以降、坂崎Vocal曲は挑戦的だったり新ジャンル!だったりで凄いジュウジツノラインナップ!!!なんですよ。
それがこのアルバムは「オオタニサンか!?」ぐらいに奮闘している。
当時2chに出入りしてましたが、まあ評価は酷かったですね。
この次の「ONE」も酷かった。
まあ、お気に入りになれるならそれはそれでいいですが。
今聴いてもやはり「うーん」な曲は変わらんのだなあ・・・。
DEENなんかはイメージ変わった曲も結構あるのに、加齢とともに。


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