35mmという焦点距離の違和感についての考察

どうがんばっても長くなりそうという予測が立つので、XのTLを汚すのは避けnoteまで来てくださった危篤な方に読んでいただこうと思った次第で。

これはあくまで個人の考察であり一意見であることをご留意いただきたい。
かなりツッコミ所があると思うので、賛否あればXでもコメントでもいただければ幸いです。

あと文がグダグダだし途中まで写真も無いので、読むなら心して読んでほしい。
謝罪はしない。


前提として以降「○○mm」はフルサイズレンズおよびそれらの焦点距離で撮られた画を指すものとする。

35mmは1番難しいとされているらしい

らしいのだ。

私がそう認識したのは、かの国王が堂々と宣言し、それに対してそこまで論理的な反証がなされていない事による。
それを見るに、この焦点距離を持て余している人はどうも少なくないようなのだ。

何せ国王の影響圏、それはもう多くの国民がひしめき合っていることは想像に難くない。

ではなぜ難しいと感じるのか、少し深く考えてみた。


換算35mmを3ヶ月使い続けて

私の常用レンズは換算35mmと50mmの2本。
(Z DX 24mm f/1.7と7artisans 35mm f/0.95)

50mmはMFなので、7割ほどは35mmで楽をしている。

そんな写活を続けて3ヶ月、ぼんやりと感じていた違和感がシャッターを重ねてきて何となく形になってきたのを感じていた。

それが言語化できたのはここ1週間ほどのことである。


1番の原因は眼と脳が有能すぎること

35mm側の話は置いておいて、まず前提の話をしなければならない。

持論ではあるが、この世で最も高性能なカメラは健常な人間の視覚である。

桁外れの解像度と暗所性能を持つ眼というハードウェアと、不要な情報は自前の消しゴムマジックしてくれる脳というソフトウェアが、見る景色の全てを印象的で素晴らしいものにしてくれる。

言語化するのは恥ずかしいが、私はわりとこの世はなんて美しいんだろうと感じるタイプだ。

私の写真活動は、この眼で捉えた素晴らしい景色をアウトプットすることを命題としている。


視覚が持つ視野角とパースについて

話が逸れた。

ではこの視覚が映し出している景色を、写真のスペックに当てはめるとどうだろうか。

結論から書くと、「50mm写真を12×8程度並べる」とかなり近くなるように思う。

パースについては通説どおり50mmが眼に近く、遠近感では違和感がない。
被写体に注目し浮かび上がらせつつ、周囲の情報も比較的ディティールが残る。

では画角はどうかというと50mmではかなり狭く、体感としては16mmほどのかなりの広角で見えている。
(これは私が「50mmは望遠」と感じる理由でもある)

しかし、もちろん広角レンズのような歪みはなく、先述したとおりパースは50mm相当だ。

このことから人間の眼は「50mm写真を12×8程度並べた」
つまり「50mmのパースで超広角の画角まで拡張した」スペックと考えるとしっくりくる。


問題は35mmが近/遠距離で特性が変わること

では35mmに話を戻そう。

私が35mmを使っていて感じたことは「距離によってパースが変わってしまう」ということだ。

これは高速船の窓から望む山を見て、モニターを確認せず瞬間的に撮ったものだ。

あとで確認したとき思わず「うわ〜〜〜35mmぽい〜〜」と言ってしまった。

なぜかというと、私の眼にはおよそ以下のように見えていたからだ。

黒い領域は写りきらなかった船内だと思ってもらいたい。
窓枠ついて元写真と同じような大きさに見えていたと思ってほしい。

変わった点は
・もっと船内が見えていた
・窓枠と比較して山がもっと大きく見えていた
ということだ。

つまり人間が見ている風景に対して35mmは
・近景側は入り切らず
・遠景側は小さく映る
という事象が発生している。

これをレンズ特性でもって解釈すると
・近景では標準レンズ
・遠景では広角レンズ

の特徴が出ているということではないだろうか。


悪く言えば「中途半端」

おそらく多くの人が抱える問題はこの「シーンによって変わるレンズ特性」によるものではないかと思う。

50mmなら、眼で見た景色を4:3に切り取っているだけと単純に理解できるだろう。
あるいは24mmなら広く見た視野に近く、歪みは大低の被写体においてそう差異はないためある程度そういう物だと許容できる。

だが35mmの場合そうはいかず、被写体が近ければ標準レンズのように被写体にクローズアップし画角を狭め、遠ければ広角レンズ然として被写体を一気に遠ざける。

こうしたコロコロとその表情を変えることが、レンズとしての素性の掴めなさを引き起こしているのではないだろうか。


良く言えば「程よく近く、程よく遠い」

しかし、私はこの35mmという焦点距離を少なからず気に入っている。

私は人が主題のストリートスナップを主にしているが、個人にはあまり興味がない。

どんな人がどんか場所でどんな行動をしているか、という「アイコン」としての人が好きなのだ。

それには

程よく近く(人物像を残しつつ個人としてのアイデンティティを削ぐ)
程よく遠い(周囲の情報を残しながら被写体を埋もらせない)

35mmというレンズがなかなか悪くないのだ。

とまあ、素人なりに色々と考えてみた次第です。
みんなも35mm使おうぜ!

では。

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