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家の鍵を忘れたことについての分析(忘れ物26年分の反省文)

何かを忘れているという事実はそれを確認するまで存在しない。窮地に追い込まれてはじめて、事の重大さに気づくのだ。8/31になってはじめて、夏休みの宿題に目を向けるように。旅行前日の夜にパスポートを探しはじめるように。

反省のために、事実を時系列順に羅列しておく。

8月14日11時40分、関西空港行きのバスの発車5分前に財布を忘れたと気が付いた。徳島駅-関西空港線のバスは5,000円、関西空港-新千歳の飛行機は25,000円、さらには北海道では90歳を迎えた祖父のお祝い旅行のために家族が待っていた。一瞬の逡巡の後、僕はバスに乗り込んだ。

同日20時11分、財布が友人宅にあったという連絡を受け、郵送を依頼する。祖父母の家で家族がバーベキューをしながら待っていた。じいちゃんにいいこと言われる。財布の場所が確定したことを受けて安心し、バーベキューと花火を楽しむ。

8月15日-8月16日、初エスコンフィールドを堪能したり、ウニ40貫を目にしてシャッターを切りまくるなど久々の家族旅行を楽しむ。

8月17日11時頃、帰宅のために荷造りを終えた段階で「あれ?家の鍵どこに行ったっけ?」と明確に思いはじめる。同日15時00分、新千歳空港においてpeach機上で財布に鍵が入っているかどうかを確認するメッセージを送る。ここで、鍵がなく家に入れないことが確定する。

8月17日21時30分ごろ、自宅に到着。ここで、家に入れないという事実が確定する。大学の友人が知り合いのおじさんに借りている古民家に滞在することにする。ちなみに、車にエンジンをかけたところで免許不携帯であることに気がついた。仕方がないので、チャリでキャリーケースを転がしたら、タイヤが1つ減っていた。

8月18日20時30分現在、財布が発送されたという連絡はない。8月23日から引っ越し準備を始める身としては、非常にまずいことになっていると言わざるを得ない。

ここから、改善する道を探っていく。

キークエスチョン:家に入れないという事態はどうすれば防げたか?

まず、必要なのは家のドアのかぎが掛かっていないという状態をつくることだ。考えられるのは以下の2つの場合だと思う。
1.鍵がかかっているが、開けられる
2.鍵がかかっていない

2に関しては、これ以上検討することがない。貴重品は持ち歩いているので、選択肢としてはありだったか。

1-1.鍵をなくさない
これが今回の筆頭候補だ。常に、財布、ケータイ、鍵の場所を確認し続けることを怠らないことが大切だった。次善策として、財布を無くした際に、他の紛失物がないか確認して置けば3日早く対処して送ってもらうことができた(はず)。現状認識を怠ったら人生は詰みだ。

1-2.合鍵をどこかに置いておく
今回はこれも難しかった。前の住人である友人が鍵を無くし、そのまま引き継いだためである。ただし、その段階で合鍵をつくるという対処をしていれば回避できたかもしれない。認識した後で対処しなければ意味がないのだと教えてくれる。

1-3.1人で暮らさない
実家に住んでいた時は鍵を忘れたりしても、誰かがいるので家に入れないということはなかった。また、家族が誰もいないときには警戒心が高まるので注意深くなっていた。可及的速やかに、誰かと暮らすことを検討した方がいいかもしれない。

ここで、そもそも僕は困っているのだろうか?という問いが現れてくる。
自宅に入れなかったが、古民家に住み着くことで雨風をしのげているし、涼をとることができている。コインランドリーで洗濯もできるし、スーパー銭湯もある。大学に行けばWi-Fiも冷暖房も完備されている。うん、あまり困っていない。

じゃあなぜ困っていないんだろうか?
大きく分けて2点ある。
①1人で生きているわけではないと思っているから
自分の力ではどうしようもないときに、誰かのことを頼ることができる。だから、この世界に対してうっすらとした安心感を抱いて生きている。これは自分で言うことではないんだろうけど、大切なことだと思う。いつもありがとうございます。
②事実として、1人で生きているわけではないから
古民家にいま入れるのも、コインランドリーも、スーパー銭湯も、大学も。誰かが、いま何が足りないのか、や、何があったらより良いかを考えてつくり、動かしている。やっぱり世界は誰かの仕事でできている。

この2点はもっといろいろ考えたりしているのだけれど、今回は深くは触れない。

書いていくうちにオチが目まぐるしく変わっているのだけれど、失敗や至らなさはちゃんと見えるかたちにして、改善していきたいということに辿りついた。見えない価値を信じながらも、数字をはじめとする指標を頼りに進んでいくことが大事なのではないか。

15年ぶりの反省文でした。

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