接種するというオミクロン株対応ワクチンはBA.1対応

シンプソンのパラドックスは、データの切り取り方次第で結果は変わる場合があることを教えてくれます。例えば、2つのデータに正の相関があっても、切り取れば負の相関になることもある。ニュースでも何でも、どの側面から見るか、考えるかで景色はかわります。
今回9月14日のNHKの「オミクロン株対応ワクチン 無料の公的接種に 来週から開始へ」はあまりにも酷い事例だと思います。効果がありそうに見せるだけ。あたかもオミクロン株対応だから期待しろ、と言っているようです。そして実際、BA.2やBA.5に対応していないことを知らない人が接種することになるのでしょう。


(1)オミクロン株対応ワクチンとは言ってもBA.1対応であり、BA.2やBA.5には対応していない。
(2)ワクチンの効果を感覚で表現
(3)その他


(1)オミクロン株対応ワクチンとは言ってもBA.1対応であり、BA.2やBA.5には対応していない。

これは周辺のニュースを見ていればわかります。例えば、同じNHKの前日のニュース「米ファイザー 「BA.5」対応成分含むワクチン 厚労省に承認申請  2022年9月13日 13時48分」を読めば明らかです。
問題は、このように今回接種が始まるワクチンが、BA.2、BA.5対応でないことに全く触れていないことです。この部分に注目しないようすることで、ワクチンへの期待度だけが高まってしまうのではないでしょうか。

(2)ワクチンの効果を感覚で表現

「オミクロン株に対応したワクチンについて「接種後の抗体価の上がり方は従来のワクチンと比べ、1.5倍から2倍まで上がるというデータが出ている。」

だから効果があると言える?仮に効果があったとしても、効果の持続期間は言わない。勿論副反応も言わない。本来行うべき治験のデータなど、存在すべきであることさえ書かない。まるで気にも留めない。国民は馬鹿だ、と言っているように感じます。

(3)その他

メディアや政府はやっぱり国民は何でも鵜呑みにしていると考えているのでしょうか。

例えば、無料を強調している、「5か月としている前回の接種からの間隔を短縮」が有難いことにように記載、相変わらず重症予防効果があると言っている。

一方でネガティブな部分は「持続期間が短い可能性はあるものの、感染予防効果や発症予防効果が期待されるとしています。」「去年2回接種し、ことしは接種していない人や、3回接種してから時間がたっている人は、オミクロン株に対してのワクチンの有効性が下がっていて、これまで感染した人も今後再び感染する可能性があるとしています。」「ずっと接種し続けるかというと、状況は変わると思う。ウイルスの変異がどう出るかにもよるが、順調にいけば、年に1回接種すればよいという効果の高いワクチンが出てくると思う。接種の間隔が長くなり、インフルエンザと同じような対応になることが望ましい」と。

この部分を深堀したら、大変なことだと本来は理解できるはず。それを何でもないことのように書いています。


それにしても、過去に調達したワクチンはどうするのでしょうか。

に紹介されていますが、また有効期限が延長されました。今度は15か月。まだ使い続けるのでしょうか?(例えば1回目2回目接種はオミクロン株対応ワクチンの対象外なので)