「コロナ対策の抜本的見直しを求める科学者からの緊急提言 」

「コロナ対策の抜本的見直しを求める科学者からの緊急提言 」を知りました。とても論理的な提言で興味深かったので紹介します。

緊急メッセージ「直ちに人々の接触機会を減らせる施策を」
・新型コロナウイルス感染症の急激な拡大に対して、1日でも早く、人々の接触機会を減らすことのできる施策が必要である。
・その一つは、直ちに緊急事態宣言を発出することである。もちろん、宣言を出すことが施策のすべてではない。
・オミクロン株では死亡率・重症化率はある程度下がる可能性もあるが、感染拡大がそれを上回りつつある。そうならないための対策をとるべきである。また、後遺症の影響とその時間軸は依然として不透明である。したがって、感染自体を抑制することが引き続き極めて重要である。
・感染から重症・死亡にいたるまでに時間差があり、年齢によって死亡率・重症化率が異なることはすでにわかっていることである。感染が急拡大しつつあって若い層の患者の割合が多い現時点での死亡率・重症化率は、対策をとらない理由にはならない。
・感染拡大が急激なオミクロン株の場合、死亡率・重症化率がある程度下がったとしても、接触機会削減に取り掛かるのに要する数日の差が、後の重症者数・死亡者数を何倍も変えてしまうおそれがある。従来の延長で捉えると推移を見誤るおそれがある。
・軽症者を把握しないと、むしろ感染者を急増させ、重症者が増えるリスクが高まる。さらに、医療者に陽性者が増えると、医療者不足による医療システムの機能が低下する危険性がある。したがって、スクリーニング検査と感染者の早期発見は今後も重要になる。そのために、PCR検査の拡充と確実な実行が求められる。
・感染を抑え込んだ後に感染者がいないグリーンゾーンエリアを維持する体制を構築する必要がある。そのためにも海外からの感染者の流入を防ぐことは不可欠であり、PCR検査とホテル隔離により水際対策を強化する必要がある。米軍を通じた感染拡大も防がなければならない。
・陽性者数が減少した2021年末においても、多くの都道府県では感染経路不明率は高いままであった。これは1m以内、15分以上という接触・飛沫感染を前提とした「積極的疫学調査」の限界である。感染力の強いオミクロン株の蔓延を防ぐには、空気感染を前提に、より幅広く追跡、検査、保護できるよう「積極的疫学調査実施要領」を改訂すべきである。市民への「高機能マスク」の「適切な装着」を啓蒙する必要もある。

提言者:
濱岡 豊 慶應義塾大学商学部教授。専門:応用統計学
牧野淳一郎 神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻教授。専門:計算天文学佐野雅己 上海交通大学自然科学研究院教授。東京大学名誉教授。専門:統計物理学、生物物理学
瀬戸亮平 中国科学院大学温州研究院教授。専門:ソフトマター物理学
徳田安春 筑波大学客員教授・医師。群星沖縄臨床研修センター・センター長


提言は、全てにおいて、命を守るには陽性者を減らすことだ、という基本的考え方になっていると思います。

提言:
・直ちに緊急事態宣言を
・PCR検査によるスクリーニングが重要(感染を広げない、将来推移予測)

ポイント:
・死亡率・重症化率が下がっても、感染が広がれば数は増える可能性がある
・感染から重症・死亡までに時間差がある
・感染拡大期、若い世代の陽性者が増えた始めた時の対策でさえ遅い
・後遺症の影響、期間が不透明
・軽症者把握しないと感染者が急増する(医療者の陽性者も増え、医療システム機能が低下する)
・水際対策(米軍含む)と隔離も必要
・1m以内、15分以上という接触・飛沫感染調査は、空気感染を前提としていないため積極的疫学調査はできない
・「高機能マスク」の「適切な装着」啓蒙が必要


以下個人的な感想です。

すべての基本は、陽性者を把握し、そこから感染しないようにすれば、感染は抑えられるはずだ、という根本的な考えだと思います。そのためには感染把握、水際対策、個人の感染対策徹底が必要だ。それでも抑えられない時があるかも知れないが、感染把握していれば増加の兆候を知ることができるので、すぐに対策へつなぐことができる。

こう言っているのだと思います。付け加えれば、感染把握にはPCR検査、個人の対策には高性能マスクの正しい装着です。国レベルで行うべき対策と個人の対策、どちらも重要。できることはすべて行おうということでしょう。


この提言は、私が常に思っていることと一致すると思ったので、紹介がてら書いてみました。

対策には現状把握。現状把握はデータ収集から。
データを大切に!