ファイザーワクチンの発症予防効果は維持されているのか?

感染症では、感染、発症、入院、重症化、死亡が、それぞれの段階で有効性などを定義できるのですね。ワクチン接種後の有効性の低下を厚労省の資料を参考にしながら調べている中で、(あまりわかったことはないのですが)今日も少しですが書いてみます。

ファイザーのワクチンの有効性95%という数値が出た時に使われていたのは、感染ではなく発症が基準でした。(「発症」なので誰かが判断)

それはさておき。資料の目的は、効果が低下して来たから3回目を、というものです。そこで、資料内のファイザー、2回目部分のみ、どのような結果が記載されているのかを調べてみました。概ね1か月後と数か月後の比較です。

  感染:効果減少、15ページ、18ページ、19ページ
  発症:効果維持、16ページ
  入院:効果維持。17ページ
  重症:効果低下、18ページ、19ページ
  死亡:効果低下、18ページ

15,17ページはアメリカ・ヘルスケアシステム、16ページはファイザー、18ページはカタール。19ページはイスラエルです。(有効性とは別の指標も使っている所があるので、「効果」としました)

盛んに強調されているのは、感染予防効果の低下です。感染と重症化は複数研究で方向性が一致しています。多分、効果低下は間違いないのでしょう。しかし不思議に思うのは、発症・入院の効果が維持される、とされている点。そして重症化・死亡の予防効果も下がるとされるのに、発症・入院の予防効果が下がらないことに矛盾はないのか。

その疑問を解消すべく、元論文も調べているのですがまだわかりません。少なくとも、関連する論文で、入院と発症のことが書かれているものがないかを探しましたが見つかりません。(恐らくここにある文献の中には、上記の論文のみ)

疑問に感じる発症・入院はファイザーとアメリカのデータです。且つ、発症・入院は誰か判断しているはずだ、という点。いずれにしても、1つのデータ、利害関係が否定できない所のデータは、要注意ですね。


という考えつつ。
重要なのは医療体制、医療のノウハウで、感染したらすぐ対応できる状態にすれば、重症化・死亡を防げる。感染予防効果が下がっていることが最重要懸念で、あとは統計で云々しても仕方がないのかも、と思ったりしています。