指数関数的減少は線形減少より遅い

新型コロナウイルスの増加は指数関数的増加だ、時間と共に増加数の勢いが増す、という話がありました。逆に、減少期は逆に時間と共に減少数が減ります。今回はそれを簡単に説明してみます。

まず、指数関数的増加。時間と共に増加数がどんどん増えていきます。ここで使っている数値は、7月28日現在の実効再生産数です。左は線形軸、右が片対数軸となっています。点線は、線形増加(7日後の増加数が日本の増加数と同じになるように計算したもの)なので、比べると時間と共に増え方がどんどん増えていることがわかります。片対数軸で見ると、指数関数的増加が直線に見えるようになることがわかります。(片対数グラフとは?も参考に)

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一方、指数関数的減少。使用したのは、9月14日現在の実効再生産数です。こちらも右の片対数軸で見ると、直線です。しかし左の線形軸でみるとわかるように、実は減少する数はどんどん小さくなってきます。(線形減少であればすぐにゼロになりますが、指数関数的減少の場合はゼロが漸近線になります。)

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例えば、このペースで線形減少する場合、1/10になるのには9~10日後ですが、指数関数的減少では19日後となり、倍の時間がかかります。また1/100になるのには39日かかることも計算できます。


ウイルスによる感染には指数関数的な特徴があります。今、感染者数は減少傾向にあるようですが、踏ん張りどころを正しく推定するためにも、減少時の減り方を知っておくことが重要ですね。

(誤字修正しました。10/4)