相関関係と因果関係の混乱例が多いのでは?

オミクロン株による感染急拡大中。こんな時、データを見る上で1つ意識しておきたいことがあります。相関関係と因果関係の違いです。

事象Aと事象Bに相関関係があったとしても因果関係については何も言えない
例えば「検査数増」と「感染者数増」。今は両方あてはまる状態ですが、検査数が増えたから感染者数が増えた、という関係ではありません。確かに感染蔓延時に、極端に少なかった検査数を増やせば感染者数は増えるでしょう。だからと言って一般的に「検査数が増えたから感染者数が増えた」とは言えません。
「感染力が高い」と「弱毒化している」の関係も似ています。感染力は確かに高そうです。弱毒化しているのではないか、という報告も多いようです。このウイルスが収束するなら、その時は弱毒化している可能性は十分あるでしょう。しかし感染力が強いからと言って、今回のオミクロン株が弱毒化していることの保証にはならないはず。

少しずれますが、例えば今、駐留アメリカ軍人からのオミクロン株感染拡大が話題になっています。でも水際対策が不要だったということにはなりませんね。SARSの時も、感染対策を弱めたタイミングで感染が収束した、と言っても感染対策が不要だったとい証拠にならない。どちらも同じ構造です。


時に内容そのままで物事を理解しようとするのではなく、その構造に目を向けてみるというのは如何でしょうか。少し抽象化してみることで、思い込みに気が付くかも知れません。


考えてみると当たり前のことなのですが、意外に気が付いていない人も多いようなので。(痛感したのは1年前によく聞いた「Go To Trave l事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない」という文章の理解が様々だったことでした。今回も似たようなことが起りそうなので書いてみました。)