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先日の「廃業する見込み」ツイートに関する補足と現状について

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 先日、うっかりこんなツイートを投稿しました。

 すると、ありがたくも一部の方から心配をいただきましたので、ここに現状をまとめておくことにします。まず、誤解があるといけないのですが「今年中に廃業することにした」わけでも「廃業するつもりでいる」わけでもないです。しかし意気込みとは無関係に9月あたりでお金がなくなるので、結果的に継続が不可能になるという「見込み」について、決定してから突然ではなんだし前もってお知らせしておこう、という意図で投稿したのが上のツイートになります。

 とはいえ、「えーん、お金がなくなるんだよう」と言われても、どのくらいピンチなのかピンとこないと思います。隠しても仕方がないので、ここはえいやっ、と銀行口座の残高を見てもらうことにしましょう。えいやっ、大事ですね。何事も中途半端はよくない。

2022/01/24現在の事業用口座の残高

 生活用の口座はこれとは別にあり、そちらに上記の口座から月7万円を生活費として補充することで毎月の生存を持続しています。2月分までの生活費は振替済みなので、この残高ではあと7ヶ月分、つまり9月にはゼロになることが明らか、というわけです。やあ困った。

 こうなると、9月までにどうにか収入を得なければ「詰み」です。当然、何か収入につながる「弾」がないか、手持ちを探します。探しました。

 この「今書いている途中のもの」、原稿用紙換算で170枚くらいまできていますが、おそらく300~400枚以上にはなるので、まず9月までには終わらなそうです。筆が速い作家さんであれば平気で終わらせるのでしょうが、私の遅筆っぷりは8年で3作しか上梓できていない実績が証明しています。そもそも、書き終わったとき9月になっているようでは時すでに遅しです。
 終わっていないまま原稿が収入になるとしたら連載くらいですが、連載を持てるのはもっと名も実績もある作家さんだけでしょう。

 残るわずかな可能性として「既刊単行本の文庫化」もあります。ただ、近刊の『亜シンメトリー』は単行本発売からまだ1年も経っていないので非現実的です。となると、残るは2017年に出た『滑らかな虹』だけですが、今の時点で文庫化の話はないですし、確認していませんが恐らくこれからもないと思われます※3/7追記あり)。版元である東京創元社のそうした判断は至極順当だと理解できますし、そのことになんら恨み節を並べるつもりもありません。
 万が一ほかの出版社さんから「出してもいいよ」と言われれば喜んでお話を聞きますが、本当に万が一でしょう。なんせ『滑らかな虹』、かなり長いので。

 「弾」は以上です。少な。


 あとは……宝くじや競馬で一発当てる、くらいでしょうか。youtuberになって大儲け、とか。空論ですね。


 というわけで、今は少し先の「詰み」がくっきり見えてきた状況です。まだ投了はしていませんが、圧倒的不利な盤面を前に深くこうべを垂れて考えこんでいる棋士の心境といったところでしょうか。
 状況は決してよくありませんが、こうしてそのことを口に出せたことで、実は今の気分としては割とすっきりしていたりします。あとはきっとなるようになるでしょう。

 思えばまだ大学生のころ、とても社会に適合して生きていける資質ではないな、と自覚し、これで生きていけなければ死ぬだけだよね、とある種自分を放り投げて書き始めてみたことでここまで生存してこられた、というのは幸いなことでした。なのでこれまでどおり、いけるところまでいくのみです。

 果たして9月の時点でどうなっているかわかりませんが、ひとまずはあとしばらく、お付き合いいただければ幸いです。
 よろしくお願いします。


 追伸。

 これについてはツイートしてみてから本当にちょっとだけ心配になったので、もしもここ半年以内に連絡したのにリアクションないよ、という関係者の方おられましたら、電話でもツイッターでも、この記事に対してでもかまわないのでお知らせください。
 今確認したら去年6/24の受信が最後になっていました。7ヵ月前!

 

◇(1/25 23:54 追記)


 メールアドレスが生存していることは確認できました。7ヵ月ぶりの受信がありました。

◇(3/7 23:40 追記)

 その後連絡があり、2022年9月に『滑らかな虹』が東京創元社より文庫化されることになりました。この記事を書いた1月末の時点から、まさか一月ひとつき余りでリミットジャストの9月刊行まで辿りつけるとは思いもしませんでしたが、ひとまず延命ができる見込みとなりました。ありがとうございます。


がんばる気持ちが湧いてにっこりします。